震災の脅威、語り継ぐ

宮城県南三陸町・祈念公園が全面開園

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中橋を渡り初めして震災復興祈念公園に向かう関係者=宮城県南三陸町

 東日本大震災で行方不明者を含む831人の犠牲者を出した宮城県南三陸町で整備が進められてきた震災復興祈念公園が12日、全面開園した。骨組みのまま残る防災対策庁舎のそばに献花台が設けられ、建築家の隈研吾さんがデザインし、商業エリアと結ぶ中橋(なかばし)が開通した。

 公園は6.3ヘクタール。2016年度から段階的に整備が進められ、高さ20メートルの築山に犠牲者の名簿が安置された「祈りの丘」、語り部が震災の記憶と教訓を伝える「語り継ぎの広場」など4.3ヘクタールは開園済みだった。

 開園式には隈さんや平沢勝栄復興相、友好町・庄内町の原田真樹町長ら来賓を含む約70人が出席。佐藤仁町長は「震災の記憶、自然災害の脅威を語り継ぐ場所として、町民が足を運び、集い、花を手向ける景色が永遠に続くことを望む」とあいさつした。

 中橋は志津川湾に注ぐ八幡川に架かり、かさ上げした高台の「さんさん商店街」を結ぶ。太鼓のように反り、上下2層からなる床板などに町産スギを用いた。神社の千本鳥居をイメージした支柱で、鎮魂の場となる祈念公園への参道に見立てた。隈さんは「つなぐ」をコンセプトに挙げ「過去と現在、未来をつなぐ橋に」と呼び掛けた。

 町職員ら43人が犠牲になった防災対策庁舎を巡っては、県が31年まで保存することが決まっているが、震災遺構として残すか解体するか結論は出ていない。一般開放は13日から。