最下位オリが大成功、鷹は1軍出場なし… 過去5年の“ドラ1”たちの現状は? 【パ編】

オリックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】

今季は10月26日にドラフト会議、無観客で行われ抽選は球団ごとに個室に分かれモニター越しに

2020年のプロ野球ドラフト会議は10月26日に行われる。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け無観客で行われ抽選は球団ごとに個室に分かれモニター越しに行われる。今年は春夏の甲子園が中止になるなどアマチュア選手にとっては大舞台での“お披露目”は例年より激減した。

それでも明石商・中森俊介、中京大中京・高橋宏斗、福岡大大濠・山下舜平大、近大・佐藤輝明、早大・早川隆久ら注目株が集まっている。12人しか手にできない栄光の“ドラ1”はどれだけ球団の戦力になっているのか。ここでは過去5年間で指名したドラフト1位の選手たちが今季どれだけ活躍しているか各球団の“ドラ1力”を見ていく。今回はパ・リーグ編。

◯西武
2015 多和田真三郎(1軍出場なし)
2016 今井達也(16試合3勝3敗0S0H 6.08)
2017 齊藤大将(5試合0勝0敗0S0H 7.71)
2018 松本航(16試合4勝5敗0S0H 4.34)
2019 宮川哲(40試合1勝1敗0S10H 4.00)

◯ソフトバンク
2015 高橋純平(1軍出場なし)
2016 田中正義(1軍出場なし)
2017 吉住晴斗(1軍出場なし)
2018 甲斐野央(1軍出場なし)
2019 佐藤直樹(1軍出場なし)

◯日本ハム
2015 上原健太(6試合1勝3敗0S0H 3.73)
2016 堀瑞輝(34試合1勝1敗1S10H 4.15)
2017 清宮幸太郎(77試合182打数34安6本19点 .187)
2018 吉田輝星(2試合0勝0敗0S0H 8.53)
2019 河野竜生(9試合2勝4敗0S0H 5.40)

◯オリックス
2015 吉田正尚(97試合347打数123安12本57点 .354)
2016 山岡泰輔(9試合2勝4敗0S0H 2.76)
2017 田嶋大樹(16試合4勝4敗0S0H 3.67)
2018 太田椋(20試合54打数14安3本5点 .259)
2019 宮城大弥(1試合0勝0敗0S0H 3.60)

◯ロッテ
2015 平沢大河(1軍出場無し)
2016 佐々木千隼(2試合0勝0敗0S0H 4.50)
2017 安田尚憲(90試合319打数72安6本48点 .226)
2018 藤原恭大(4試合14打数5安打0本2点 .357)
2019 佐々木朗希(1軍出場なし)

◯楽天
2015 オコエ瑠偉(1軍出場なし)
2016 藤平尚真(1試合0勝0敗0S0H ?)
2017 近藤弘樹(楽天移籍 4試合0勝0敗0セーブ1ホールド 1.93)
2018 辰己涼介(84試合212打数46安8本塁打21点 .217)
2019 小深田大翔(89試合286打数78安打1本20点 .273)

パ・リーグではオリックスの“ドラ1”たちが最も1軍で活躍

現在リーグ最下位のオリックスが最もドラフト1位選手が戦力となっていると言える。吉田正はチームの顔となり侍ジャパンにも選出されるほどに成長し初のタイトルとなる首位打者も射程圏内。金子千尋(現登録名・金子弌大)の後を受けたエース・山岡はケガもあったが先発ローテには欠かせない存在に。左腕・田嶋も3年目にしてキャリアハイの登板数を記録。1年目はケガに泣いた太田はプロ初安打初本塁打も記録し将来の主軸として期待されている。宮城もルーキーイヤーでプロ初先発を経験した。

オリックスに次ぐのは西武と日本ハムか。今井、松本と将来のエース候補がまずまずの投球を見せておりルーキーの宮川もリリーフとしてチームを支えている。自律神経失調症の療養もありシーズン途中に支配下選手契約を締結した多和田は18年に最多勝を獲得しており、今後の復活に期待だ。

日本ハムは3年目の清宮が1軍に定着しているが打率は1割台と物足りない。堀は先発としても期待されたが今季はリリーフに定着。ルーキー河野はすでに初勝利を挙げローテの一角としても期待だ。

ロッテは首位争いを繰り広げる中で3年目の安田が4番に定着。打率こそ2割台だが6本塁打を放つなど今季が飛躍の1年になる可能性が高い。佐々木千、藤原はコロナ禍での大量入れ替えで1軍に昇格しチャンスを生かせるか。平沢、ルーキーの佐々木朗は1軍出場がない。

楽天は辰己、ルーキー小深田がシーズン中盤からスタメンに定着。俊足巧打、そして守備も魅力の2人が内外野で将来のチームを牽引していくことができるか。エース候補として期待された藤平、抜群の身体能力を誇るオコエは今季苦しんでいる。

日本シリーズ3連覇のソフトバンクはパ・リーグで唯一、過去5年のドラフト1位選手で1軍出場はなし。昨年は甲斐野が65試合に登板し大活躍したが今季は怪我で出遅れここまで1軍登板はゼロ。同じく昨季に45試合に登板し高橋純も怪我のため登板はない。5球団が競合した田中もここまで満足いく成績を残せておらず。選手層の厚いホークスらしい結果ともいえるだろう。(Full-Count編集部)

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