NEC、顧客が保有するデータの補完・拡張をAIで支援する「NEC Data Enrichment」サービスを提供開始

多くの企業や団体がDXに着手する中で、社内外の様々なデータを効果的に分析し、そこで得られた知見を経営や事業運営に役立てたいというニーズが高まっている。一方、複数のデータを統合して分析するためには、データの形式(表データの行や列が表す意味)が統一されていなければならず、専門家がデータの正規化・標準化・名寄せなどの準備工程を膨大な時間をかけて行っているのが現状である。日本電気株式会社(以下、NEC)は、顧客が保有するデータをAIで分析し、関連性が高い外部の公開情報と組み合わせてデータを補完・拡張するサービス「NEC Data Enrichment」を提供開始する。同サービスは、顧客から預かったデータをNECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである「データ意味理解技術」で分析し、関連性や類似性が高いとAIが判断した外部の公開情報と統合することで、データを補完・拡張して顧客に提供する。データ意味理解技術は、NEC独自のアルゴリズムにより表データの行や列が持つ意味を予測し、類似性の高いデータ同士を自動的に統合することができる。また、従来のデータの補完・拡張作業はデータ分析の準備工程にあたり、通常はデータアナリストなどの専門家が膨大な工数をかけて行うが、同サービスではその作業をAIにより自動化することで、専門家が人手で行う場合と比較して約1/10の時間で同等品質の成果を得ることができる。これにより、顧客は準備工程に関する業務を効率化できるほか、専門家のリソースをより付加価値の高い分析業務にあてられるようになる。今回、NECは株式会社タイトーと共同で、2020年4月から7月にかけて同サービスの実証実験を実施し、同サービスにより補完・拡張されたデータを用いることで新商品の需要予測の精度を約20%向上できることを確認した。NECは今後、データ分析が積極的に活用されている発注業務や商品開発業務などを中心に顧客に新サービスを提案し、今後3年間の累計で4億円の売上高を目指す。

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