大気から化学物質 横浜の異臭で初めて採取、分析 発生源は特定できず

 横浜市は13日、異臭騒ぎが起きた前日に市内で採取した大気を分析した結果、ガソリンなどが蒸発したガスに含まれる化学物質などが検出された、と発表した。通常よりも高い濃度だったが、ただちに健康に影響を及ぼすものではないとしている。異臭の発生源は特定できておらず、市は引き続き調査する方針。

 市消防局には12日午後4時半から同7時45分ごろにかけ、横浜駅周辺やみなとみらい21(MM21)地区を中心に「ガス臭い」といった通報が16件、寄せられた。同局本庁舎(保土ケ谷区)でも同様の臭いがしたため、大気のサンプルを採取。市の環境科学研究所(神奈川区)で分析を行った。

 その結果、ガソリンなどの蒸発ガスに含まれるイソペンタン、ペンタン、ブタンのほか、化学製品の原材料などを燃やした時に発生するエチレンやアセチレンが通常の大気中よりも高い濃度で検出された。イソペンタンやペンタンは、通常の約13倍の濃度だった。

 県内では6月以降、横須賀市や三浦市で原因不明の異臭が発生しており、サンプルの採取は今回が初めて。一連の騒動との関連について、横浜市の担当者は「分からない」とした。

© 株式会社神奈川新聞社