国内クルーズ客船寄港 コロナ拡大後、全国初 佐世保に26日

佐世保港に寄港するにっぽん丸=佐世保市、新みなと岸壁(2013年撮影)

 長崎県佐世保市は14日、クルーズ船「にっぽん丸」(2万2千トン)が26日に佐世保港に入ると明らかにした。愛媛県新居浜港と佐世保港を2泊3日で往復。乗客は200人程度で佐世保市内を観光する。市は乗船前にPCR検査を実施するなどの条件を付けて受け入れる。新型コロナウイルスの感染拡大後、一般客を乗せた国内クルーズ船の商業運航は全国で初めて。
 市議会都市整備委員会に報告した。
 国土交通省などによると、国内クルーズ船の商業運航は、2月下旬の横浜港発着が最後。佐世保港は1月25日の寄港が最後となっている。
 市港湾部によると、にっぽん丸は25日に新居浜港を出港し、26日午前8時に佐世保港新みなと岸壁に接岸する。乗客はハウステンボスや九十九島などを観光する予定。午後6時に出港し翌日に新居浜港へ戻る。
 乗客は募集中で最大250人が参加。船を運営する乗員は100人程度。
 クルーズ船の受け入れは9月下旬に船会社側が市へ打診。市は船会社側に求める運用方針を策定し、感染対策などの条件を付け、寄港を認めた。
 方針では、運航前に感染症についての安全対策の計画を提出させ、乗客全員のPCR検査を義務付ける。市内で感染者が一定数増加した場合は寄港許可を取り消す。航海中も検査できる態勢を整え、感染者が出た場合は原則引き返してもらう。市は「厳しい条件を付け、慎重に受け入れを進める」としている。
 クルーズ船を巡っては、2月に横浜港に停泊中の「ダイヤモンド・プリンセス」で、4月には長崎港に停泊していた「コスタ・アトランチカ」で集団感染が発生。長崎港を管理する県は、当時の検証報告書などを基に運用方針を定め、受け入れの判断をするとしている。


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