支援金の申請撤回が増加 沖縄、9月以降で31件 不正受給の事実は確認できず

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奨励金の不正受給への対応について呼び掛ける県のホームページ

 沖縄県内の中小企業の新型コロナウイルス感染拡大防止対策を支援する県の「安全・安心な島づくり応援プロジェクト奨励金」の申請取り下げの申し出が41件(10月6日現在)に上っていることが14日、分かった。41件のうち31件は、奨励金を不正に申請していたとの報道のあった9月以降のもの。専門家は「奨励金を不正に申請していた場合、取り下げたとしても詐欺未遂に当たる可能性がある」と注意を促している。

 県観光振興課によると、取り下げの理由は「仕事が見つかったから」「事業のめどが立った」などで、10月14日までに奨励金の不正受給は確認されていない。同課は「申請の取り消しが相次いでいるが、不正だったのかどうかは判断していない」としている。

 奨励金は観光業のほか理美容や農林水産、建設業など幅広い事業者が対象。1事業者当たり一律10万円を支給する。申請は8月31日に締め切られた。

 同課によると、申請件数は2万815件で、10月6日現在、8133件が支給されている。約1万件は手続き中だという。

 申請要項によると、不正に受給した場合、支給した10万円の返還と違約金10万を県に支払わなければいけない。奨励金を受給するためには収入減少を証明する書類が必要。同課によると、審査を迅速・簡素化し、対象者に対して早急に支給するために国の持続化給付金の決定通知の写しも証明書類の一つにしている。9月に入り取り下げられた31件中、10件が持続化給付金の決定通知を基に申請されていた。

 同課は「仮に持続化給付金を不正に受給し、同奨励金も受給していた場合は不正に当たる」と説明。不正に申請し、受給する前に申請を取り下げた場合は返還や違約金を支払う対象ではないとしている。

 消費者問題に詳しい折井真人弁護士は「不正な申請を行政が処罰しないとしても、刑事罰の観点からは申請行為をした時点で詐欺未遂罪に当たる」と指摘している。