熊本豪雨のボランティア「想定以上」 3カ月で3万5千人、継続支援が鍵

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球磨村神瀬の用水路に堆積した泥をかき出すボランティア=8月4日、球磨村(高見伸)

 7月の豪雨後、各地の災害ボランティアセンターを通して被災地に駆け付けた人は、14日までに延べ3万4813人に上る。豪雨から3カ月が経過。今後は仮設住宅に入居した被災者の新たなニーズが生まれるとみられ、識者はボランティアによる継続支援の必要性を訴えている。

 センターは7月6日の熊本県芦北町と津奈木町を皮切りに、各地の社会福祉協議会が開設。泥のかき出しや清掃などの依頼を被災者から受け、応募の参加者を派遣した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため参加者は県内在住者に限定した。

 ピーク時に13市町村が開設していたセンターは、被災者からの依頼がなくなった所から閉所。現在は人吉、八代、球磨の3市村が開設を続けている。

 県社協によると、全市町村を合わせた月ごとの参加者は7月の延べ1万5834人が最多。8月は1万4918人、9月は3251人、10月は810人と減っていった。14日までの活動件数は延べ3927件に上る。

 熊本地震では17市町村がセンターを開設し、全てが閉所するまでの1年間に全国から延べ11万9935人が参加。県社協の江口俊治事務局長は「県内だけで3カ月で3万5千人は想定以上。県民の意識の高まりを感じる」と評価する。

 コロナ禍で授業やアルバイトが減った学生のほか、地元企業、団体が継続して参加。県が162台のバスを運行し、2271人を運んだことなどもボランティアの参加者数を押し上げたという。バスは被災地以外の市町村も運行した。

 一方、人吉、八代、球磨の3市村では今も新規の依頼が続いている。地域外の避難先から戻った人や、自宅の解体を考えたものの、費用面などを考慮してリフォームに切り替えた人などからの依頼が多く、人吉市社協は「活動は長期化するかもしれない」とみる。

 閉所した市町村も新たな依頼があれば、各社協が常設するボランティアセンターが対応。仮設団地が建設された7市町村の社協は、入居者の生活支援を担う「地域支え合いセンター」を順次開設している。

 被災地に足を運んで支援を続ける熊本学園大の高林秀明教授(地域福祉論)は「社協だけでは人員的に厳しく、見守り活動などに限界が出てくる可能性もある」と指摘。「ボランティアセンターに参加し、経験を積んだ地元の人や団体と連携し、地域全体で継続的に支援する形を整えたい」としている。(堀江利雅)