レトロな建物 活用法模索 長崎ビンテージビルヂング見学会

山田教授(左から3番目)の案内で旧長崎警察署を見学する市民ら=長崎市江戸町

 長崎市にある現在は使われていない歴史的な価値がある建物を知る「長崎ビンテージビルヂング建物見学会」が10日、市内2カ所であった。このうち長崎市江戸町の旧県庁跡地に隣接する旧長崎警察署では、市民らが識者の案内でかつての建物の姿に思いをはせた。
 長崎のレトロな建物の活用法などを模索しようと、県や地元有志などでつくる実行委員会が企画した。
 旧長崎警察署は1923年に完成。被爆遺構の一つで2018年まで県庁第3別館として利用された。県が保存・活用の可否を検討している。見学会では内部調査に携わった長崎総合科学大の山田由香里教授(建築史)がガイドを務めた。
 山田教授はかつて応接室や署長室として使われた1、2階の部屋などを案内し、それぞれの役割などを説明。見学者は興味深そうに耳を傾け、カメラやスマートフォンで撮影していた。
 長崎市の竹下知子さん(72)は「ここは県庁の別館というイメージしかなかったので、警察署としての姿を知れてよかった。立地もよく広々としているので、文化的活用をしてほしい」と話した。
 見学会はこのほか、1948年に建てられ、昨年まで県営団地として使用された旧魚の町団地でもあった。

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