外食大手・リンガーハット 69億円赤字 3~8月期決算、9期ぶり

 長崎県発祥の外食大手リンガーハットは14日、2020年3~8月期の連結決算を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による市場環境の悪化が響き、売上高は前年同期比32.1%減の161億4100万円。最終損益は69億8400万円の赤字となった。赤字は9期ぶり。
 東京都内で会見した佐々野諸延社長は「過去最悪の決算となったが、来期は強みと弱みをよく分析し、黒字を出せるよう経費の見直しに取り組む」と話した。不採算店については順次閉店を進めており、3~8月は全国31店舗を閉店。9~来年2月についても経過を見ながら閉店を判断する。佐々野社長は「2、3カ月が見極めどきだが、(31店舗と)近い可能性がある」との認識を示した。
 ちゃんぽん、とんかつ両事業とも減収減益。経常損益は37億4100万円の赤字、営業損益は35億9400万円の赤字だった。同社は近年、ショッピングセンターなどの店舗が収益の基盤となってきたが、臨時休業を余儀なくされるなどコロナ禍の影響を大きく受けた。
 今後は収益の改善が見込めない店舗を整理し、新商品の販売促進やテークアウト、デリバリーの拡充を図りながら収益性を改善していく。
 2021年2月期の通期予想も発表。現状のコロナ禍が継続する前提で算出し、最終損益は87億円の赤字、売上高は前期比29.4%減の334億円の見通し。

 

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