杉田官房副長官の国会説明が不可欠だ、福山氏

 日本学術会議による会員推薦候補に対し安保法制や共謀罪など政府政策に批判的な見解を示してきた6人の学者が、これを理由に排除されたとみられる問題で、この6人を指して「任命できない人が複数いる」と杉田和博官房副長官が菅義偉総理に伝えた可能性が濃厚になっていることを受け、立憲民主党の福山哲郎幹事長は「杉田官房副長官に国会で説明してもらうことが必要不可欠だ」と記者会見で語った。

 また安住淳国対委員長も14日、「(杉田官房副長官が6人を)政府提出法案に異を唱えたという理由で外したのであれば、民主主義への挑戦だ。容認した菅総理の政治責任も問わなければならない」と強い姿勢で臨んでいく考えを示した。

 安全保障関連法(安保法制)に反対する学者の会は同日、日本学術会議人事への政治介入に抗議する声明を発表。

 声明で「菅義偉首相が日本学術会議会員への被推薦者6名の任命を見送ったことは、日本学術会議の独立性と学問の自由を侵害する許しがたい行為。私たちは学問の自由と学者の良識を尊重し擁護する者として強く抗議し、日本学術会議の『要望書』に示された(1)6名が任命見送りになった経過と理由を十分に明らかにすること(2)6名の任命見送りを撤回し、速やかに任命することを求める」としている。

 菅総理の行為の違法性について、声明は「日本学術会議法は第3条に『独立して』と政府からの独立性をうたい、第7条で、会員は日本学術会議の『推薦に基づいて』と内閣総理大臣の任命権を制約している」。

 「この独立性と任命権の制約は、戦前戦中の国家による学問思想統制に対する反省に立った条文」であることを指摘。

 また「同法第17条では、会員は『優れた研究又は業績がある科学者』から選考されることが明示されている。そうした法規定に基づいて日本学術会議が選考・推薦した者を首相が任命しないことは『明らかな違法行為』。このような行為は研究者の学問の自由を侵害し、思想表現の自由の抑圧につながりかねない」と強く抗議。6人の任命を行うよう要求している。(編集担当:森高龍二)

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