探査機ジュノーから眺めた迫力の木星映像、本物の観測データをもとに作成

動画「A “Flight” Over Jupiter」より(Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS, processing by Kevin M. Gill)

NASAの木星探査機「ジュノー」は楕円形の軌道を描きながら木星を周回していて、定期的に木星へ接近しています。接近時にはジュノーに搭載されている光学観測装置「JunoCam」によって、おなじみの大赤斑から青みがかった渦巻く極域まで、木星の迫力ある素顔が撮影されてきました。

今はまだ無人探査機しか訪れることができない木星ですが、ジュノーのようにすぐ近くから眺めることができたら、私たちはどのような景色を目にすることができるのでしょうか。

そんな「もしも」を垣間見せてくれるこちらの5分間ほどの動画「A “Flight” Over Jupiter」は、JunoCamによって撮影された本物の木星の画像を元に作成されました。木星の北半球上空を猛スピードで通過したあとに見えてくる大赤斑には地球がすっぽり入ってしまうと思うと、木星の巨大さに改めて圧倒されてしまいます。

動画を作成したのはこれまでにもJunoCamの観測データを編集・公開してきた市民科学者のKevin M. Gill氏で、2020年6月2日に実施されたジュノーによる27回目のフライバイ観測時に撮影された41点の画像が用いられています。NASAのジェット推進研究所(JPL)によると、このときジュノーは木星の雲頂から3400km以下の高度を時速約20万9000km(秒速約58km)で通過したとのことです。

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Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS, processing by Kevin M. Gill
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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