NTTデータと東急ハンズ、アバター遠隔接客の実用化に向け東急ハンズ5店舗で実証実験開始

近年、新型コロナウイルス感染症により、売り場における買い手と売り手のコミュニケーションのあり方が変わろうとしている。極力接触を避けるニーズが高まる中で、これまであったようなお客と接客スタッフとのコミュニケーションの価値をいかにして維持かつ向上するかが、今後の売り場における重要な変革課題となっている。株式会社NTTデータと株式会社東急ハンズは、オペレーターの動きと連動するアバターを介して遠隔から商品を提案するデジタルストアの実証実験を開始する。6月に実施した1店舗での検証から、今回は3都市5店舗に規模を拡大、専用端末なしで遠隔接客できるように進化させ、2020年10月16日から12月15日まで実施する。同実証実験では、東急ハンズ渋谷店、新宿店、池袋店、梅田店、博多店の3都市5店舗にアバター特設ブースを設営し、実験開始最初の1カ月は美容やコスメに詳しい専門のスタッフ、2カ月目は実演販売「ヒント・ショー」専任チームが、来客の要望(商品の使用用途や肌悩み、贈る相手、予算など)を伺い、おすすめの商品や贈り物を案内する接客業務を実施する。スタッフは本社、店舗のバックヤード、自宅などさまざまなロケーションから接客を行う。

同ソリューションで利用する遠隔接客機能(UsideUの「TimeRep」)は、ウェブブラウザ上で接客操作を実施できるため、必要なアプリケーションがインストールされた専用の機器が不要だ。これにより、本社オフィス・店舗のバックヤード、自宅などさまざまなロケーションにいるスタッフが、普段利用しているパソコン・タブレット端末等からより手軽に接客を行うことができる。また、今回実験で使用するアバターは、接客シーン(ビューティ、実演販売)に合わせてデザインされた。また、必要に応じてアバターではなく接客員の実画像にも切り替えられる機能を追加し、より多様な接客シーンに活用できるようになった。さらに、同ソリューションで利用するAI顔認識機能(サイバーリンクの「FaceMe」)により、来客の性別・年齢層や感情を推定したデータ・会話データをダッシュボードから簡易に確認することができる。これにより、実際の接客コミュニケーションの内容を実データに基づいて振り返り、良かったこと・悪かったことの把握やコミュニケーションの改善、さらには良かったコミュニケーション術の組織内展開も容易となる。接客コミュニケーションにアバターを介することで、来客がより安心して買い物できる機会を提供する。また、接客スタッフの勤務場所を自宅含むさまざまなロケーションに拡大することで、柔軟なスタッフアサインと多様な働き方を実現する。

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