相次ぐ著名人の自殺、今こそ考えるべき“命のセルフケア”

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月30日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ファッションデザイナーの渋谷ザニーさんが“命のセルフケア”について述べました。

◆友人や家族から自殺の相談をされたら?

厚生労働省は「生きづらさを感じている方々へ」と題した呼びかけを公式Webサイトに掲載。「新型コロナウイルス感染症の影響で、今後の生活に不安を感じている人も多いのではないか」と悩みを抱え込まぬよう、身近な人や公的機関への相談を促しています。

WHO(世界保健機関)はメディア関係者向けに自殺対策を講じていますが、そこには「自殺に対する報道記事を目立つように配置しない」や「繰り返し報じない」。さらには、「センセーショナルな表現を使わない」、「自殺の手段などは明確に表現しない」、「発生した現場や場所を明かさない」などがありますが、全てが遵守されているわけではありません。

ザニーさんは、7月末に出演した際にも"有名人の自殺報道の在り方”について論じましたが、昨今は自殺報道の後に相談窓口を案内するメディアも増え、「発展はあったと思う」と感想を述べます。

今の時代、「自分の命をいかにケアし、友人や家族の命に対してどう向き合うべきかはすごく重要」とザニーさん。例えば、有名人の自殺報道の際、万人は「なぜこんな強い人が」、「こんなにキレイな人でも自殺という選択をしてしまうんだ」と潜在的に意識しまうと言います。そして、少なからず自傷的な感覚を持つ人や自殺に対して何らかの考えを持つ人はそこに引っ張られ、実際に影響を受けてしまうことも実例として起きています。

事実、ここ最近の自殺報道の後には相談件数が増えているそうで、ここでザニーさんは友人に相談されたときの対応を紹介。まずは当事者の気持ちを否定するのではなく、「(相手の)気持ちをまずは受け止め、理解するということに集中したほうがいいんだそうです」とザニーさん。「つまり、プレッシャーを与えるようなコメントは極力しないで、共感してあげることが大事」と主張します。

また、死に向かう局面では「世界を一切シャットアウトし、周りのことが考えられず、絶望的になっている」と推測。そんなときには「選択として、"死は良くない”ということに関しては絶対的に肯定してはならない」と指摘。さらには、自殺しないよう次の約束を取り決めることが大事とも。

そして、こういった相談に乗ることで自らも死に対して意識することができ、「自分自身も絶望感のなかで、自分でセーブできるようになっていく」と話していました。

◆渋谷ザニー流・メンタルの保ち方

ザニーさん自身、昨年アクティブだった分、今年はとても大変だそう。経営者として守る人もいるなか、いかにメンタルを保っているかといえば、過去の成功を振り返ること。例えば、いいことがあったときの流行歌を聴いたり、思い入れのある洋服を着たり、香水をまとうなどし、「自分のメンタルを常にハッピーなほうに持っていく、単純なこと」とザニーさん。

「絶望感を脱却するには自分の力しかない。その部分では余計なことは自分から切り、自分の命さえ切らなければ周りは全て切っていいと思う。そのくらい自分の信仰心を明るい思い出である過去に見つめてみるといい」とアドバイスを送ります。

ジャーナリストで東海大学客員教授の岸田雪子さんは、過去に自殺を考えた方や未遂の方と話をする機会があったそうで、そこで聞いた踏みとどまるきっかけは「他者との関わり」。しかも、それは知らない人でもよく、共感したり、存在を認めてあげたり、声掛けをすることで救われる部分があると岸田さん。そして最後に「たとえ叶わなかったとしても、周囲の方を責めないであげてほしい」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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