Blackmagic Design製品事例:東南アジア向けコカ・コーラCMの場合

Blackmagic Designの発表によると、マレーシアのカラリスト、ベー・ジン・チャン氏が、新しいコカ・コーラのCMのグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用したという。また、このCMはBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2を使ってBlackmagic RAWで撮影されている。

今回の東南アジア向けのコカ・コーラのCMは、2020年に人々が自宅でどのように過ごしていたか、そしてコカ・コーラ製品がいかに日常生活に溶け込んでいたかを表現している。サム・コイ撮影監督によってマレーシアで撮影されたこのCMは、その後カラリスト兼Blackmagic Design認定トレーナーであり、ポストスタジオFilm Troop Postのオーナーでもあるベー・ジン・チャン氏によりカラーグレーディングされた。

Film Troop Postは、幅広いポストプロダクションサービスを提供しており、短期間で数々のCM、短編映画、ミュージックビデオを手がけてきた。Netflixマレーシアの「BahasaSini」、そしてPanasonic、ファーウェイ、Tiger Crystal beer、ペプシ、 Wonda Coffee、Levi’s、A&W、Yonex、Subway、マレーシアのホンリョン銀行などのCM、さらにアーティスト、Andi Bernadeeの最新ミュージックビデオ「Penat」などがその例である。

現在26才のベー・ジン・チャン氏は、大学生の時に初めてDaVinci Resolve Studioを使い始めたという。同氏が設立したFilm Troop Postは、マレーシア国内で最も急成長を遂げたポストプロダクション企業であり、その成長の中心となっているのがDaVinci Resolve Studioである。

チャン氏:パートナーであるイー・カイ・シェンとパトリック・チュアと私は、同じビジョンを共有しています。そのビジョンとは、効率的なポストプロダクションサービスを提供すること、新しいテクノロジー、テクニック、クリエイティブな選択肢を用いて前進すること、そして作品を最高品質で仕上げることです。メインのカラーグレーディングソフトウェアとしてDaVinci Resolve Studioを使用していることで、より多くのクライアントに対応できます。

今回のスポットCMでは、コカ・コーラの制作チームは、家庭における様々な状況で、コカ・コーラ社の飲み物が消費されているシーンを使用したいと考えていた。チャン氏とコイ氏は、スポットCMで温かいルックとフィールを維持するよう依頼を受けており、温かみを残してさえいれば、各シーンで異なるルックを自由に試すことができた。CMの各セグメントを際立たせるというビジョンを達成するために、チャン氏はDaVinci Resolve Studioの様々な機能とURSA Mini Pro 4.6K G2とBlackmagic RAWコーデックによる高品質イメージをフル活用した。

マレーシアには、URSA MiniやPocket Cinema Cameraのユーザーが多く存在しているので、多くのカラリストはBlackmagic RAWに馴染みがあるんです。イメージは驚くほどクリーンで、幅広いダイナミックレンジに対応しています。非常に柔軟性が高く、スムーズに再生できます。そしてキャプチャしたカラーにより、最終的なルックが触発されますね。もうひとつ、気に入っているのがスキントーンです。非常にグレーディングになじみやすく、スキントーンの調整が少なくてすみます。

チャン氏は、基本的なリフト、ガンマ、ゲインを使用してスポットCMに求められるルックを作成した。また、DaVinci Resolve StudioのPower Windowは、フレームの形成やショット内の特定の部分におけるライティングの再設定に役立ったという。

DaVinci Resolve Studioのリアルタイム性能は、グレーディング全体を通じて非常に顕著でした。この良い例が、プロデューサーとポストプロデューサーが、ある製品の蓋の色を変えることについて話しているのを小耳に挟んだ時のことです。彼らがオンライン部署に送信する前に、DaVinci Resolve StudioのクオリファイアーとPower Window、そしてマニュアルトラッキング機能を使用して蓋の色を変えました。結果は上々で、まさに彼らが望んでいたことでした。

ポストプロダクションの一環として、東南アジア諸国に配給するために、様々なフォーマットのCMを準備する必要があった。これには、DaVinci Resolve Studioのリモートグレーディングツールが役立ったという。

リモートグレーディングは、他国用に様々な出力が必要な場合や、コスト削減が必要な場合などに便利です。新しいEDLやXMLが届いた際に、カラーをBlackmagic RAWのフッテージにリンクするだけなので、作業が非常に楽になりました。マスタータイムラインでグレーディングされていない新しいショットでも、似たようなショットからスチルフレームをキャプチャして、グレードを貼り付けることができます。

私が初めてDaVinci Resolve Studioのことを知ったのは、大学時代に、クラスメートの一人が大学のiMacにDaVinci Resolve 11をインストールした時でしたね。DaVinci Resolve Studioとカラーグレーディングを習得したことで、多くの扉を開いて新たな場所へ行くことができ、業界内の様々なアーティストたちと一緒に仕事をする機会に繋がりました。

さらに、このように生計を立てる手段を得たことで、ポストプロダクションやカラーグレーディング、テクノロジー、各種カメラとその性能、コーデックについて多くを学ぶことができ、人に教えたり共有することもできるようになりました。DaVinci Resolve Studioは、誰もが文字通り瞬時に使用できる、唯一のプロ仕様ツールです。

© 株式会社プロニュース