リーグ3連覇から一転低迷の広島 ドラ1候補は“即効性”重視した戦略がおすすめ?

広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

エース大瀬良は29歳、ルーキー森下は23歳…投手陣の年齢バランスは悪くない

2020年のドラフト会議は10月26日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大により甲子園などアマチュア大会の多くが中止になり、スカウト活動も制限された中で迎えるドラフト。果たして各球団はどのような補強戦略を思い描くのだろうか。

ここでは各球団のポジション、年齢別の戦力構成を検証。今年のドラフトで補うべきポイントと、それにマッチするドラフト1位候補を挙げてみたい。今回は現在セ・リーグ5位と苦戦を強いられている広島を取り上げる。

2016年から3年連続でセ・リーグ優勝を果たした広島だが、昨季4位に沈むと、今季はここまで昨季を下回る5位に低迷している。今季の成績を見ると、チーム打率.264はリーグ2位、チーム得点数も巨人、DeNAに次ぐ3位と決して悪くはない。その一方でチーム防御率4.44はリーグ5位、特に救援防御率はリーグワーストとなっており、今、真っ先に手を加えるべき課題は投手力と言えるだろう。

チームの年齢構成を見てみると、投手陣で30代後半は助っ人のクリス・ジョンソンのみ。エースの大瀬良大地、九里亜蓮は29歳、ルーキーの森下暢仁は23歳、今季先発の一角に入ってきた遠藤淳志は21歳とバランスは悪くない。

主砲・鈴木誠には近くメジャー挑戦の噂も…求められる後継者探し

捕手は今季、台頭してきた坂倉将吾が22歳で、2017年ドラフト1位の中村奨成もまだ21歳と若い。正捕手の會澤翼も32歳とまだまだ健在だ。今季限りで石原慶幸が引退するため、層を厚くする必要はあるが、補強の緊急性はさほど高くないだろう。

野手も年齢構成のバランスは取れている。松山竜平と小窪哲也が35歳だが、鈴木誠也や西川龍馬、堂林翔太、菊池涼介ら主力は20代後半から30代前半。彼らが働き盛りのうちに、林晃汰や小園海斗といった若手の台頭を促したい。気がかりなのは、近くメジャー挑戦の噂も出ている鈴木誠の後継者探し。チーム内には左の巧打者タイプが多いだけに、長距離砲も欲しい。

即効性のある指名を目指すのであれば、早大の早川隆久や苫小牧駒大の伊藤大海、慶大の木澤尚文らの即戦力投手、近大の佐藤輝明という強打の野手が候補に。バランスの取れた年齢構成にあることから、将来性重視で中京大中京の高橋宏斗や福岡大大濠の山下舜平太といった将来性豊かな高校生投手に動いても面白いか。

【表】投手も野手もバランス良く世代が融合…年齢構成から来季の補強ポイントが見えてくる?

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(Full-Count編集部)

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