魅力度ランキング

 申し訳ないことに、正しい読みが「いばらぎ」だったか、「いばらき」だったか、いつまでたってもうろ覚えである。手元のパソコンはどちらを打っても「茨城」と変換してくれる。ちなみに正しくは「KI」。濁らない▲その茨城県が“指定席”を脱出して話題を呼んでいる。民間のシンクタンク「ブランド総合研究所」による都道府県別魅力度ランキング調査で、茨城が順位を42位に上げた▲結果の公表が始まった2009年以降、最下位でなかったのは過去1度だけ。同県の大井川和彦知事は「本県の魅力はもっと上位であっても良い」と微妙な喜びを苦笑いで▲不名誉な定位置も、聞けば悪い話ばかりでもないらしい。住民の結束や愛郷心は強まるようで、同県では「ビリ脱出連絡会議」なる民間主導の組織が活動中という。出身タレントの“自虐PR”も幾度か目にした。「貴重な個性が失われる」と順位上昇を惜しむ声さえあるとか▲上位陣はうらやましく、しかし、下位には下位のメリットがありそうにも思われ、結局、隣の芝生はいつだって青い-が毎度の結論▲さて、長崎県は昨年と同じく11位。トップ10入りを目の前に足踏みを続けているのか、辛うじて踏みとどまっているのか。一喜一憂する必要はないと知りつつ、11位の中身は少し気になる。(智)


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