115年前開業「伝説の沖縄そば」復活へ 黒いスープと卵焼き「唐人そば」に勝利

 10月17日は「沖縄そばの日」。沖縄そば店の店主らでつくる「沖縄そば継承発展の会」(野崎真志会長)が、沖縄そばの歴史上の名店「比嘉店」で提供していた「ベェーラーそば」を、数量限定で復活させる企画を進めている。比嘉店は黎明(れいめい)期に沖縄そばのルーツと言われる店舗との、激しい販売競争に勝利したと言われる伝説的な店。1日に始まった同会主催の第10回沖縄そばスタンプラリーの目玉企画として数量限定で提供する予定だ。

 県工業技術センターによると、沖縄そばのルーツは「唐人そば」と言われている。1902年4月9日の琉球新報に、唐人そばを提供していた前之毛(現・那覇市久米)の「シナそば屋」の広告が載っており、最も古い記録として残っている。唐人そばは、しょうゆ味の黒いスープが特徴で、そばに加えてネギと細切れの豚肉が入っていたという。

 このシナそば屋で修行していた比嘉牛さんが1905年に、同じ前之毛で開業したのが比嘉店だった。唐人そばに卵焼きが載ったそばを提供した。ベラベラしゃべることからベェーラーそばと呼ばれていたといい、シナそば屋との競争に勝利したとみられている。

 沖縄そば継承発展の会が主催する沖縄そばスタンプラリーの上位入賞者と、抽選で選ばれた合計60人限定で、ベェーラーそばを提供する予定だ。唐人そばを提供する与那原町の「民芸食堂」が特別に再現したベェーラーそばは、黒光りするスープに黄金色の卵焼きが映える。少し太めでもちもちした麺に、しょうゆベースのスープがよく絡む。

 スタンプラリーは来年2月28日まで。県内21店舗の沖縄そば店のスタンプを集める企画で、6店舗から応募できる。問い合わせは同会野崎会長(電話)090(3794)9346。

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