詐欺退散へ「御朱印」 鎌倉最古・龍口明神社で配布 鎌倉署作成

「詐欺退散」を祈願する〝御朱印カード〟

 特殊詐欺被害を防ごうと、詐欺退散を祈願する“御朱印カード”が鎌倉市内最古の神社「龍口明神社」(神奈川県鎌倉市腰越)で配られている。近年人気を集める「御朱印」をイメージしたといい、作成した鎌倉署は「御朱印ならば身の回りに飾ってもらえ、詐欺防止の意識を高める力になるはず。多くの人に手にとってほしい」と“御利益”に期待を寄せている。

 同署管内では今年に入り、特殊詐欺被害が21件発生。昨年から17件減ってはいるものの、被害額は3700万円増えるなど、被害に歯止めがかかっていない。

 同署生活安全課の竹村一雄課長(60)が「歴史ある鎌倉ならではの啓発で被害を減らしたい」と、552(欽明13)年創建の同神社に協力を依頼した。

 カードは縦約14センチ、横約12センチで、「祈願成就 詐欺退散」と書かれている。まわりには神社の祭神である「五頭龍大神」が描かれている。デザインは地元在住のイラストレーターひぐちかよさん(38)が手掛けた。

 約1千枚を作成し、神職がおはらいした上で社務所で無料で配るほか、署員が住民に手渡しするという。

 同署から感謝状を贈られた相原圀彦宮司(74)とひぐちさんは、「被害で悲しむ人を地域から無くしたい」と話している。

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