漆芸がつなぐ日台交流 コロナ収束願い展示 横浜

日本と台湾の漆芸作家による約100点が集まった交流展=横浜市神奈川区

 日本と台湾の漆芸家による交流展が18日まで、横浜市神奈川区の「FEIアートミュージアムヨコハマ」で開かれている。コロナ禍で台湾の作家の訪日は中止し、作品のみの搬入となった。現代アートや伝統技法の皿など30人の作家による約100点を展示し、コロナ禍の収束を願っている。

 台湾の漆芸は日本統治時代の大正、昭和初期に日本人の芸術家や職人が地元の若者に技術を伝えたことが発祥という。漆は気候が温暖な台湾では日本より早く育ち、当局により栽培が奨励された。

 伝統的な皿や椀(わん)から現代アートの漆塗りのサーフボード、パンダのオブジェなどを展示。日本のデザイナーと台湾の漆工職人による漆塗りの鏡やオブジェのコラボ作品も。初日の9月29日はオンラインで同美術館と台湾を結び、参加作家が交流した。同美術館代表で造形作家の高宮洋子さんは「コロナ禍が収束したら、往来を復活させたい」と話している。

 交流展は、日本統治時代にさかのぼる台湾の漆芸と交流の歴史を紹介したいと一昨年から行っている。

 入場無料。問い合わせは、同美術館電話045(411)5031。

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