西武「台湾デー」でオリ張奕に白星献上の屈辱 辻監督「ベンチから見ただけでは…」

先発したオリックス・張奕【写真:宮脇広久】

オリックスの張奕にはここまで2勝を献上し計11イニング無得点

■オリックス 4-1 西武(17日・メットライフ)

西武は17日、本拠地メットライフドームで行われたオリックス戦で、企画した「台湾デー」を相手に“献上”する格好となってしまった。くしくもこの日、相手の先発を務めた台湾出身右腕・張奕(ちょう・やく)投手に6回3安打8奪三振無失点の快投を許し、今季2勝目(2敗)を許したのだ。試合は1-4の完敗だった。

試合前には、台湾観光大使を務める歌手・小林幸子さんがシルバーのドレス姿でランボルギーニに乗り込み、「疫病退散!」と呼び掛けながら登場するド派手パフォーマンスを演じ、1万1169人の観客を沸かせた。だが、肝心の試合では、それ以上の盛り上がりはなかった。

両軍無得点で迎えた4回には1死一、二塁の先制機をつくったが、スパンジェンバーグが張の145キロ速球を空振り三振。続く木村も外角高めに来たフォークを見逃し、2者連続三振に倒れた。

張には8月22日、京セラドーム大阪での前回対戦でも、5回5安打無得点で白星を献上。張の今季2勝はいずれも西武戦で、西武は計11イニングで1点も取れていない。辻発彦監督は「いい投手であることはわかっている。カットボール、フォークが良さそうだが、ベンチから見ただけではよく分からなかった」と首をひねった。

西武サイドでも、台湾出身の呉念庭が「9番・三塁」でフル出場したが、2打数無安打1四球に終わった。

張は、前回先発の今月3日の楽天戦で、1回にロメロの頭部へ死球を与え、わずか17球で危険球退場していただけに、「チームに迷惑をかけていたので、打者1人1人に集中して臨みました」と胸をなでおろした。育成出身で昨年5月に支配下登録された26歳。西武としては、本格的な“獅子キラー”に成長する前に攻略しておく必要がありそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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