浦上駅前3棟全半焼 けが人なし パチンコ店、飲食店など

パチンコ店や飲食店などを焼いた火災=17日午後1時10分、長崎市岩川町

 17日午後0時40分ごろ、長崎市岩川町の飲食店「割烹(かっぽう)ひぐち浦上本店」の従業員から「天井裏から煙が出ている」と119番があった。市消防局と浦上署によると、同店とパチンコ店「浦上まるみつ」が入る建物(木造2階建て)など2棟を全焼、隣接する1棟を半焼した。けが人はいなかった。約3時間後に鎮圧状態となったが、同11時現在、鎮火には至っていない。

 全焼したのはほかに、かまぼこ店「まるなか本舗浦上総本店」(木造3階建て)。無職、林田芳典さん(66)方住宅(鉄筋3階建て)も半焼した。警察は「ひぐち」と「浦上まるみつ」が入る建物が出火元と見ており、18日以降、消防と合同で現場検証をし、詳しい火元や出火原因などを調べる。
 出火当時、各店舗はいずれも営業中。同署によると、このうち、「ひぐち」には約30人、「まるみつ」には約70人の利用客がいたが、いずれも従業員が避難誘導するなどし、けが人はいなかった。林田さんは妻と2人暮らし。2人とも家にいたが、火事に気付き逃げ出して無事だった。

火災が発生した場所

 「ひぐち」のアルバイトの20代女性は「店内に白い煙が入ってきて、もやがかかった状態。お客さん一人一人に状況を説明し避難してもらった。初めての経験で必死だった」と驚きを隠せない様子だった。
 現場はJR浦上駅前に位置し、店舗などが密集した地域。周囲には黒煙が立ち込め、一時騒然となった。消防車など20台が出動して消火活動に当たり、現場に面した幹線道路などでは渋滞が発生した。


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