緊急事態宣言から半年 <観光>近隣から集客図る 自然をアピール

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修学旅行先を五島市に変更し、釣りを楽しむ精道三川台中の生徒=五島市小泊町

 観光施設も検温や消毒などの対策を徹底し、新しい生活様式を取り入れた形に変化している。
 「日本一広いテーマパーク」。長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)はコロナ禍を受け、敷地が広く「3密」を回避しやすいことをアピールする戦略に打って出た。屋外のアムステルダム広場では、約140席だった座席を400席近くに拡大。屋内のホールで行っていた歌劇団や和太鼓の公演を外でも実施し「安全、安心」を重視している。
 「外出の機会が減ったことで旅先で実際に体験する価値は相対的に上がった。これまで以上に楽しんでいただけるように工夫したい」と担当者。
 来場者数の回復に向け着目したのが近隣を旅行する「マイクロツーリズム」だ。現在、九州各県からの来場者は全体の約5割にとどまり、東京ディズニーランドなど他のテーマパークに比べ近隣地域からの客が少なく「伸びしろはある」とみる。九州在住者を対象に年間パスポートにクーポンなど特典を付けるキャンペーンを展開。効果は徐々に表れてきているという。
 新型コロナは子どもたちの思い出づくりにも影響を与えた。民泊や体験観光を軸とした修学旅行の誘致に力を入れる五島市では、4月時点で予約のあった小中高21校のうち18校がキャンセルになった。
 ただ、県内外の学校が旅行先を変更して五島を選ぶケースも出ている。新たに五島を選んだ6校のうち、精道三川台中(長崎市)は3月の新潟行きを中止し、今月14日から2泊3日の日程で来島。3年生12人が市内の景勝地を巡ったほか、農業や釣り体験、地元住民との交流を楽しんだ。
 初めて五島を訪れた星野孔紀さん(15)は「最初は乗り気じゃなかったけど、釣りをしたりして五島もいいなと思った。長崎より自然が身近にあるのもいい」と満足した様子。
 市は「コロナがなければ五島に来てもらえなかった学校もある。ポジティブな面として捉え(今回の旅行で)自然を満喫してもらい、来年以降のリピーターにつなげたい」としている。