サーキットが一瞬静まる衝撃。セッテ・カマラがデビュー戦でポールポジション獲得【スーパーフォーミュラ第3戦予選】

 10月18日(日)、2020年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦予選が行われ、今大会から参戦がかなったセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max)がポールポジションを獲得。繰り上がりでQ2進出を決めたルーキーが衝撃的なスーパーフォーミュラデビューを飾ることとなった。フロントローには2戦連続ポールシッターの平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がつけた。

 今大会Q1のA組には、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)、塚越広大(ThreeBond Drago CORSE)が出走。

 牧野を先頭に野尻、坪井らがセッション開始と同時にコースインするが、チェックラップなのかそのままストレートを通過せずにピットイン。本格的にタイム計測を始めたのは塚越で、計測4周目に1分5秒504をマークし、これがベンチマークタイムとなる。

 セッションが7分を切る辺りで各車がコースへと向かい、まず速さを見せたのがキャシディ。1分4秒613でトップタイムをマークすると、坪井が1分4秒859で2番手に続いた。3番手に入った野尻までが1分4秒台のタイムをマーク。

 昨年のポールシッターでレコードホルダーの山本は終盤までノックアウトゾーンにとどまっていたが、最後のアタックで1分5秒063をマークして4番点滑り込みQ2に駒を進めた。以下、フェネストラズ、関口、牧野までがQ1を突破。塚越と小林がここで敗退となった。

 B組には、平川、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、山下健太(KONDO RACING)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、笹原右京(TEAM MUGEN)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、大嶋和也(ROOKIE Racing)、そしてセッテ・カマラが登場。

 A組のセッションと比べ気温、路面温度ともに上昇し、平川、中島、笹原など、続々と1分4秒台のタイムをたたき出していく中、大湯がSPコーナーひとつ目のアウトで膨らみ、SPふたつ目を曲がり切れずにクラッシュ。残り時間が16秒というところで赤旗が提示されてしまう。この赤旗でアタックに入っていたドライバーたちが影響を受けてしまう。

 残り時間が3分に延長されてセッション再開。再びアタックが始まる。この時点でノックアウトゾーンに残っていたのは大嶋、セッテ・カマラ、福住の3名。福住はアタックラップ中の赤旗中断ということもあり、再開後のアタックに注目が集まったが、1分5秒487で9番手にとどまり、Q2進出を逃すことに。

 最終的に、平川がトップでQ1突破、中嶋、笹原、山下、国本、石浦がQ2に進出した。大湯は4番手タイムを記録していたが赤旗提示の原因車両としてタイム抹消。セッション再開後にタイム更新して大嶋を上回り8番手に滑り込んだセッテ・カマラが繰り上がりでQ2進出を決めた。

 予選Q2は、まずは野尻が1分4秒565でトップ通過。8番手でギリギリ通過となった山下までのタイム差はわずか0.3秒でほんのわずかなミスも許されない緊迫したセッションとなった。山本が0.4秒差ながら10番手で敗退。

 またウォームアップ中にハイポイントコーナーでコースアウトを喫した関口、そして石浦、牧野、坪井、国本もここで予選を終えることとなった。関口のコースアウトの影響をうけた平川とキャシディはアタックのやり直しとなりタイムアップが危ぶまれたが、平川は2番手、キャシディは6番手でQ3に進出を決めた。

 迎えたQ3。直前のQ2を4番手で通過したセッテ・カマラはフェネストラズに続いて2番目にコースイン。ウォームアップラップまでは目立った動きもなく、ライバル勢とともに計測に入った。まずは野尻が1分4秒424でトップに立つと、キャシディが100分の7秒上回り逆転。さらに平川がこれを塗り替えトップを奪取。

 ここで平川の3戦連続ポールポジション獲得かと思われたが、その直後、セッテ・カマラは最終コーナーを含めるセクター4で全体ベストタイムを刻み、1分4秒235をマーク。平川を上回り、ポールポジション奪取となった。平川は0.053秒差で2番手。さらに0.037秒差でフェネストラズが3番手につけた。

 スーパーフォーミュラデビュー戦で、昨日は雨でスピンを繰り返し、予選Q1を繰り上がりでクリアしたセッテ・カマラのあまりにも衝撃的なタイムアップと大逆転ぶりにサーキットは一瞬静まり返り、多くの関係者にビッグインパクトを与えた予選となった。Buzz Racing with B-Maxにとっても、スーパーフォーミュラ初のポールポジション獲得となった。

スーパーフォーミュラ第3戦SUGO予選でポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ
デビュー戦ポール獲得という偉業を成し遂げたセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max)

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