「渋滞のない、歩きやすい首里に」 すいまち研がオンラインシンポで提言

 首里城再建を機に持続可能な街づくりを考えようと、NPO法人首里まちづくり研究会(すいまち研)は17日、第2回「観光と首里まちづくりシンポジウム」をビデオ会議システムZoom(ズーム)を使って開催した。第1回シンポジウムやワークショップを通してまとめた提言の中間報告をした。提言では「渋滞のない、住民にも観光客にもやさしく、歩きやすい街」などを掲げ、行政と住民による街づくり協議会をつくることも求めた。年内に県と那覇市に最終的な提言を行う。

 シンポジウムでは、すいまち研の伊良波朝義理事長、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長、琉球大の清水肇教授らが議論を深めた。伊良波理事長は交通渋滞の解決に向けて「首里は歩いて回った方がいいという観光に変えれば車は抑制できる」と指摘した。

 提言には首里城地下の日本軍第32軍司令部壕跡を歴史学習に活用することも盛り込んだ。清水教授は「武力紛争の際の文化財保護条約」などを紹介し「第32軍壕について考えることは世界的な意味がある。文化遺産を戦争に巻き込んではいけないというメッセージを沖縄から発してほしい」と述べた。下地会長は提言を評価した上で「首里が他の地域にどういう影響を与えてきたのか再認識することも大事だ」と話した。

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