「今、安心して楽しめる旅行」とは?HISに聞く、コロナ時代の旅のスタイル

Go To トラベルキャンペーンが東京都民も対象になり、旅行需要が高まりつつある一方で、実際にキャンペーンを利用して旅行をしているという人は一部というデータもあります。今の旅行の状況や、新たな旅のスタイルについて、エイチ・アイ・エス本社経営企画本部広報室の三浦達樹さんに話を聞きました。

大自然で非日常な開放感を求めるニーズが高い

――コロナ禍で御社が一番力を入れていることは何でしょうか?

旅行事業においては、宿泊施設、地域の観光施設等と連携した、感染症予防対策を徹底した企画商品の造成です。また、海外旅行においては旅に行けない状況が続いていることから、オンライン体験ツアーの商品ラインナップ拡充を図り、旅人と海外の観光従事者との絆の構築を継続的に図っています。

――旅行業界全体が厳しい中で、人気の商品、国内旅行先、ツアーがありましたら教えてください。特にどのような旅の需要が高いのでしょうか?

コロナ禍のなか、密を避けた大自然の空間で非日常な開放感を求めるニーズが高まっています。おすすめの商品ラインナップは下記のとおりです。

津軽海峡を見渡せる絶景の宿へ!夕食はカニ、朝食はいくら食べ放題付のバイキング!平成館しおさい亭に泊まる 函館・湯の川温泉3日間

ポイント

1. 津軽海峡ビューでロケーション抜群!平成館しおさい亭に宿泊

2. 海が見える大きな窓が特徴的な、広々とした和室(海側のお部屋)をご用意!

3. 夕食はカニ、朝食はイクラ食べ放題!

https://nippon.his-j.com/tour_detail/TK-FHN2099-HHS3/

カニにお寿司に北海道グルメ。美食の札幌

ポイント

1. ホテル内日本料理店でカニしゃぶやお寿司など北海道グルメの夕食

2. お部屋で愉しめる「ワイン&デザートセット」付

3. 全室36㎡以上のラグジュアリーホテル「プレミアホテル-TSUBAKI-札幌」指定

https://nippon.his-j.com/tour_detail/TK-FSS2099-HTB2

憧れのホテルヨーロッパ指定 ハウステンボス

ポイント

1. 園内最上級ホテル「ホテルヨーロッパ」指定

2. HISオリジナル選べる夕食クーポン付(滞在中1回)

3. 世界最大イルミネーション「光の王国」11月より開催!

https://nippon.his-j.com/tour_detail/TK-FNN2099-XES3/?intcid=SrchItem

珊瑚礁の海に囲まれた南欧風リゾートホテル日航アリビラ

ポイント

1. 全室バルコニー付きの人気リゾート「ホテル日航アリビラ」指定

2. ホテル夕食付(滞在中1回)

3. 滞在中ハイブリッドレンタカー乗り放題

https://nippon.his-j.com/tour_detail/TK-FOS5010-OAL3

憧れの秘境に佇む 星野リゾート西表島ホテル

ポイント

1. ANA指定 羽田⇔石垣島 往復直行便利用

2. 石垣港から西表島までの往復乗船券付

3. 人気の「星野リゾート」にご宿泊

https://nippon.his-j.com/tour_detail/TK-FIN2099-MHI3

グルメを楽しむ日帰りのバスツアーが人気

――このほかに関心が高い旅行というのはありますか?

これら飛行機で行くツアー以外ではバスツアーが人気です。バスツアーではお客様の体調の確認を徹底しています。車内の消毒を行うのはもちろんですが、バスの中の空気は頻繁に入れ替えることができる仕組みになっています。座席の飛沫防止シートの設置を行い感染のリスクを下げる対応を行っています。また、1名様2席利用バスツアーなどお客様の安心できる環境を提供しています。

――人気のバスツアーとは具体的にどのような内容でしょうか?

バスツアーで人気なのは、日帰りで行く季節の味覚狩りやグルメツアーです。群馬のりんご狩りとかに食べ放題のツアーや新潟ののどぐろと和牛丼のコースなどが特に人気です。

感染症対策には最大限配慮しています。例えば、フルーツ狩りで自分専用のコップをご用意しタネ入れにご利用いただいたり、バイキングで専用トングや手袋をご用意しシェアしないなど、旅行先の各観光施設の方々と連携し感染症対策にむけて対応を行っています。これからの季節は紅葉や温泉、冬にはいちご狩りツアーもおすすめです。

バスツアーの利点としては、今週末に行きたいところを直前で決められること、ウェブからすぐに予約できること、単価も安いので気軽に行けることです。

――今、国内旅行に行く場合、宿泊先を選ぶ際に、どのような点をチェックしたら、安心して泊まれる宿を選ぶことができるでしょうか?

いずれのホテルもコロナ禍の今、感染症予防対策を徹底いただいています。強いて言えば、部屋食・貸切風呂のプランのあるツアーコースを組み込んで提供しています。

オンライン接客やオンラインツアーの需要が増加

――御社では、コロナ禍以前よりオンライン接客ツール(LiveCall)を導入されているとうかがいました。コロナ禍を経て、オンライン接客ツールを選択する人が増えたなど、接客風景に変化はありますでしょうか?また今後、対面の相談だけでなくオンライン接客の需要も増えていくと考えられますでしょうか?

店舗のおよそ半数が休業中の今、オンライン接客ツールの需要は増えていくと考えています。現在、HIS関東・関西・中部でLiveCallを導入しています。オンライン接客ツールなら、外出を懸念されているお客様も安心して1対1のサービスを受けていただくことができます。

旅行業界ではお客様がネットで検索して交通手段や宿泊先を選び、オンライン上だけで取引を行う旅行会社、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)の需要が高まっており、もちろんHISのオンラインサイトのサービスの拡充は図っています。

オンラインでご予約をされるお客様でも、行き先の決まっている方にとっては24時間検索できる点で便利ではありますが、行き先の決まっていない人にとっては、その人に合った旅行先や旅行テーマのご提案など、まだまだ人的サービスが必要だと考えています。オンライン接客ツールを導入することで、お客様にとっては実店舗に来店されるのと同じような接客体験を提供することが可能となり、旅のプロであるHISのオペレーターが、お客様のご希望や予算、条件などをうかがって、適切な旅行先をご提案することができます。

また今後は、HIS社員の働き方の多様化が進み、リモートワークの拡充ができるようになったり、旅行をご予約されたお客様を集めて気軽にオンラインで説明会を実施したりすることができたりと、無人の店舗が生まれる可能性もあります。

――多彩なオンラインツアーを販売されていますが、現在何カ国、何種類くらいのツアーが実施されているのですか?また、どのようなツアーに人気がありますか?

50カ国500種類を超えるオンライン体験のツアー(累計2.2万人がご利用)を提供しています。特に、「行った気になるシリーズ」は開始当初から人気があります。また、自己啓発に繋がる言語や知識が高められるコースも人気です。

――オンライン体験ツアーに参加したお客様の反響はいかがですか?

当初、4月17日〜5月末の緊急事態宣言の期間中にHISのアメリカ法人が始めた際は、無料で提供しており、約6,000人の方にご利用いただき、お客様との絆が構築できたと実感しています。6月以降は事業として継続していくため、ラインナップの拡充を図り有料化しましたが、引き続き多くのご利用をいただいています。現在も、一部無料のコースや期間によって割引もあります。

よく、YouTubeと何が違うのかと聞かれるのですが、世界各地の現地にいる各分野のスペシャリストとライブでつながっている、双方向コミュニケーションであるという点が大きく違います。HISの強みのひとつ、海外に拠点を持っていて、ガイドだけでなく、レストランやバー、パフォーマーといった人脈を持っている点を生かし、そういった方と協力して一緒にツアーを作り上げています。例えば、今そこにいるニューヨーカーに生の情報を聞くことができるのです。同じツアーでも、その回に参加された方だけの質問が展開されており、全く同じツアーということはありません。

ほかにも、国内のレストランからデリバリーされたミャンマー料理を楽しみながら、現地ガイドにヤンゴンの街を案内してもらって買い物もできるツアーや、よく当たると評判のインドの有名占い師に占ってもらうツアーなどは、メディアで取り上げられ大きな反響がありました。

オンラインツアーは今後も増えていきます。そして、リアル旅行とはまた異なる新たな体験をご提供するサービスとして、コロナ後も継続していく予定です。

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