【高校野球】早実が主将・清宮弟の適時打で選抜へ向け好発進 「ガチガチに緊張しました」

「4番・一塁」で先発した早実・清宮福太郎【写真:宮脇広久】

「ボール球だったので振ってはいけない」スライダーを中前へ

日本ハム・清宮幸太郎内野手の弟で、早実の主将を務める福太郎内野手(2年)が18日、ダイワハウススタジアム八王子で行われた秋季東京都高校野球大会1回戦の修徳戦に「4番・一塁」で出場。3回、相手の守備の乱れで先制した後、1死二、三塁で迎えた第2打席で、カウント2-2から外角低めのスライダーに泳がされながら、中前へ運ぶ技ありの適時打を放った。この日は4打数1安打1打点で、チームは9-2で7回コールド勝ちした。

福太郎は試合後、「最初の打席では、力が入ってしまいました。自分たちの代になったからなのか、キャプテンになったからなのかはわかりませんが、ガチガチに緊張しました」と苦笑した。1回2死二塁の先制機で見送り三振に倒れたことを悔やみ、タイムリーヒットについても「追い込まれていたので手が出ましたが、ボール球だったので、振ってはいけなかった」と反省。「次の試合では地に足をつけて、落ち着いてやりたい」と語った。

もっとも、和泉監督は「(適時打は)よくバットが届いた。キャプテンのヒットが、みんなに元気にした」とうなづいた。「ああいう、うまさがある。皆さんは、あんちゃん(幸太郎)と比べたがるが、パワーは全然違う(及ばない)。それでも、飛ばすツボは持っている」と評した。

福太郎にとって人生初という主将だが和泉監督は「あんちゃんとは違うタイプだが、うまくチーム全体のバランスを取っている」と評価している。

9月20日に早実の王貞治記念グラウンドで行われたブロック予選の中大杉並戦では、左越え本塁打を含む3打数2安打5打点と活躍した福太郎だが、本拠地でない球場に観客を入れての試合は、勝手が違ったようだ。とにもかくにも、主将として、チームを2017年以来4年ぶりとなる来春の選抜に導くための戦いが始まった。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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