建設技術研究所/マイクロハビタットマップを開発/砂防工事と環境保全を両立

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建設技術研究所が火砕流をせき止める火山砂防業務をターゲットに、環境配慮の取り組みを加速する。森林の位置を示した植生図に地形の凹凸が判別可能なCS立体図(長野県林業総合センター考案)などを重ね合わせた「マイクロハビタットマップ」を作成。自然環境の保全に努めながら質の高い砂防施設の整備につなげる。今後は河川整備などにも利用範囲を拡大する考えだ。

マイクロハビタットマップは、植生図とCS立体図、無人航空機(UAV)で撮影した最新の地形図を使って作成した。火砕流の被害を軽減する火山砂防事業砂を対象に、溶岩に覆われた地形を可視化する。地表の凹凸は赤と青の2色に色分けし、急傾斜地になるに従って濃い色で表示される仕組みだ。モニタリング可能な範囲は50センチ四方で、10センチ単位で高低差を把握する。

微細なくぼ地や生息する動植物の環境を詳細に調査できるため、砂防施設建設時の環境保全に役立つ。初弾として同社は長野、群馬の両県をまたぐ浅間山で行った砂防事業で同マップを作製。長野県林業総合センターが提供するCS立体図を利用した。

火山砂防事業以外には、河川の水際に住む水生生物の実態調査などにも利用可能。調査したいエリアのCS立体図がそろっていれば、「国内全域のマイクロハビタットマップを作製できる」(同社環境部)という。同社は土木構造部の整備で求められる環境影響評価(環境アセス)をターゲットに適用拡大を目指す。

マイクロハビタットマップのイメージ