2020年初優勝を挙げたリンス「落ち着いて最後までタイヤをもたせた」/MotoGP第11戦決勝トップ3コメント

 MotoGP第11戦アラゴンGPの決勝レースがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、MotoGPクラスで表彰台を獲得したアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、アレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が会見に登場。レースを振り返った。

■アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:優勝

「僕としてはレースをリードしての優勝は初めてだ。以前の2回の優勝は、バレンティーノ(・ロッシ)とマルク(・マルケス)と争っていたからね。でも、少し難しいレースだったよ。レースをリードしているときには、簡単にミスをしてしまうものだから」

「落ち着いてうまく走ろうと努めていた。サインボードで、ジョアン(・ミル)とアレックス(・マルケス)がとても速いペースで迫っているのがわかったけど、落ち着いてタイヤをレース終盤までもたせようとしたんだ。レースではソフトタイヤを選んだのだけど、もたせて安定させるのは簡単じゃないからね。そしてそれをやってのけた」

「この優勝は、僕にとってもスズキにとっても今季初めてのものだ。スズキは本当にいい仕事をしたし、たくさん表彰台を獲得してきた。これは、プレシーズンで本当に懸命に取り組んできたことを意味している。この優勝を本当に欲していた。だからすごくうれしいんだ」

「多くの人は僕が優勝することを求めていなかった。でも、僕は落ち着いていたよ。本当にいいスタートが切れて、僕はとても速かった。4番手、5番手あたりでヤマハライダーと争ったよ。僕が後ろについたとき、彼らがさほど速くなく、苦戦しているのがわかったんだ」

「それで、マーベリック(・ビニャーレス)の後方で、『よし、今、行こう』と思った。彼は今週末、みんなよりいいペースだったんだけどね。僕はマーベリックの後ろにいて、楽に走ろうとしたよ。あるポイントでオーバーテイクしようと決めて、自分のペースをつくり、差を広げようとしたんだ」

■アレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/決勝:2位

「とても満足している。今日のレースを誇りに思うよ。この週末、すべてのセッションで僕はすばらしいポテンシャルがあったと思う。とても楽しかったし、自由でもあった。バイクの上で、僕は自分自身だったんだ。すべてを忘れて、今日はいい日にしようと言い聞かせた」

「最初から攻めたよ。1周目で、リンスは僕よりもかなりポジションを上げていた。これが、今日のレースのカギになったと思う。僕もすごくよくなってきて、うまいオーバーテイクもした。レースでこんなに速く走れるなんて、自分でも驚きだったよ。バイクのフィーリングは本当によかった」

「レース前には、最終ラップにリヤタイヤをうまくマネジメントできているだろうとわかっていた。最後まで、賢くスムーズに走って待っていた。残り2周では、最終コーナーでミスをしてコンマ数秒をロスしてしまった。それで(最終ラップの)1コーナーでリンスに仕掛けるチャンスを失ったんだ」

「最終ラップではもう一度頑張って、リンスがミスをするのを期待したけれど、リンスは本当に、最終ラップで速かった。でも、ドライコンディションでの表彰台は重要なものだよ」

「ビニャーレスが苦戦し始めたのを見て、優勝は可能だと思い始めた。フリー走行4回目でもウオームアップセッションでも、ビニャーレスには何かがあると思っていた。だから、彼が苦戦しだしたのを見て、もしかしたら(優勝が)可能かもしれないと思った。それで、最後まで懸命に挑戦しようと思ったんだ」

「レースの全部でベストを尽くしたよ。ジョアンはブレーキを遅らせていたし、どこでも速かったからオーバーテイクするのには大変だった。それに、僕のフロントタイヤの左側は限界だったんだ。いつも僕たちが持っている問題なんだけどね。でもそれを除けば、周回を重ねていくにつれて楽しくレースしていたよ」

■ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:3位

「今日はとてもうれしい。スズキはアレックスとともに優勝を手にした。まずはおめでとう。僕はレースではうまくやったと思う。タイヤをかなりセーブしようとした。でも、トップ2のふたりがいたんだ」

「ビニャーレスをオーバーテイクしたとき、リンスとの差をすぐさま埋めようとした。でも残り8周か7周で、バイクのフロント部分にトラブルが発生したんだ。気温はこの週末で最も高く、レースで正しい選択をしたり、誰かの後ろについたりすることは簡単ではなかった」

「でもとにかく、残り6周でパフォーマンスが発揮できなくなった。残念だ。レースでは本当に強さを感じるところもあったのに。でも、今日は優勝する日じゃなかったんだ。ただ、チャンピオンシップでランキングトップになる日だった。それはうれしい。来週に向けて、問題を解決しないとね。レース終盤は、普通なら僕たちの強みなんだから」

「(来週は暖かくなるようだから、フロントにミディアムタイヤを履くのは?)それは気温と作戦によるね。アレックス(・リンス)はものすごくうまくやったよね。レースの序盤にかなりポジションを上げたんだから。それに、彼はいいタイミングで賢くオーバーテイクしていた。たぶん、レース序盤にフロントタイヤをあまり使わなかったんだろうね」

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