山形「丸八やたら漬」を映画で次代へ 有志が製作委設立、寄付募る

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製作中の映画「丸八やたら漬 Komian」のPR用写真(佐藤さん提供)

 5月末に閉店した山形市の漬物店「丸八やたら漬(づけ)」の135年にわたる文化や歴史を映画で記録に残そうと、市民有志が製作委員会を設立し、寄付を募っている。営業最終日の様子や関係者のインタビューなどから街の移り変わりを描く。来年秋の山形国際ドキュメンタリー映画祭でのお披露目を目指している。

 製作委員会の設立は8月21日。閉店が決まった今春に撮影を先行して始めており、来春ごろまで続ける予定。営業最終日や今後控える取り壊しの様子、社長を務めた新関芳則さん(67)ら関係者のインタビューなどを記録し完成させる。

 丸八やたら漬は1885年にみそ・しょうゆ醸造と漬物の店として創業。切り妻造りの店舗兼主屋と蔵などの建物群は大正時代に建築され、2007年に国登録有形文化財に選ばれた。

 蔵を改装した郷土料理店「香味庵(こうみあん)」が観光客の人気を集め、隔年開催のドキュメンタリー映画祭ではこれまで「香味庵クラブ」として多くの映画人の交流の場として親しまれ、市中心市街地のシンボル的存在だった。

 製作委員会の里見優会長(64)=山形市=は「地方の漬物店の廃業ということだけでなく、全国各地の街で起こり得る文化と歴史の消失だ。継承について考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 監督は天童市の映画監督佐藤広一さん(42)。寄付者は市民プロデューサーとして映画のエンドロールに名前が掲載されるほか、上映招待券などが受け取れる。連絡先はプロデューサーの高橋卓也さん080(9639)9212。