大崎高校 今度こそ甲子園へ 九州高校野球長崎県大会 2年連続優勝

【決勝、長崎日大―大崎】6回裏大崎1死一、三塁、松本が右中間へ2点三塁打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 大崎の勢いが止まらない。清水監督の就任と現3年生の入学以降、徐々に頭角を現して、昨季は長崎県内公式戦無敗。大幅にレギュラー陣が入れ替わった今季も、まずは秋の連覇を達成した。主将の秋山は「先輩たちがつくってくれた記録を自分たちもと練習してきた」とチームの思いを代弁した。
 九州高校野球県大会決勝のこの日は追う展開だったが、攻守で慌てなかった。守備は1-3の六回からエース坂本が救援。「監督から、お前がゼロで抑えたら逆転できるぞと言われた」という通りにスコアボードに「0」を並べ続けた。評価すべきは今大会30イニングでわずか2四球の制球力。抜群のテンポで流れをつくった。
 打線は坂本登板直後の六回に村上の左前適時打で1点差に迫り、なおも1死一、三塁から松本が外角高めの直球を右中間へ逆転三塁打。「変化球があまり入っていなかったので、真っすぐ一本に張って、しっかり振ろうと思った」。続く村田のスクイズ(野選)も相手に大きな痛手を与えた。
 これで、長崎の新たな顔の一つになったのは間違いないが、ここはあくまでもスタート。昨秋は九州大会初戦で延長の末に敗れ、今夏は県で優勝してもコロナ禍で甲子園出場は夢と消えた。そんな先輩の思いも背負ったチームの、地域の悲願である聖地へ、慢心はない。
 就任3年目の清水監督はこう言葉に力を込めた。「地域の人も3年生も、どうにかして甲子園に連れていきたい。まだ力は足りないけど、粘り強く。それは一つの使命だと感じている」

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