【話題のTikTokクリエイター】17歳の若手シンガーソングライター・sui

TikTokで今年5月に自身のオリジナル曲がいきなりバズったことを起点とし、YouTubeに公開した同曲「エピソード」の動画再生回数は数ヶ月足らずで200万回再生以上を記録。サブスクチャートでも続いて公開した新曲「可愛い君が愛おしい!」が上位にランクインした。2曲が早くもチャート上位の仲間入りを果たした17歳の若手シンガーソングライター・sui。

新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、その期間にTikTokをはじめた彼は、以前からTikTokのクリエイターが投稿する動画を見て自身も一歩を踏み出すことを決めたという。そこから数ヶ月で配信リリースデビュー。女性目線の歌詞や自身の楽器経験を活かした幅広い楽曲は、TikTokを中心に若者世代に刺さり、広がりを見せている。

インタビュー・テキスト:後藤千尋

―まずはTikTokで話題になった動画について教えてください。

sui:自分の動画の中で一番「いいね」をもらっているのが、最初にサブスクで配信リリースした「エピソード」でした。最初は恋愛ソングに自分は興味がなかったんですけど、「作ってみたらどう?」って言われて、興味本位で作ってみたんです。それがカップルや友達同士の動画投稿に使われるようになってバズりました。

―すごい早さでバズりましたよね。「エピソード」は最初は15秒のサビだけの投稿でした。

sui:フル尺で曲を作るのは時間がかかるんですけど、15秒だったら歌詞と曲調を考えて小一時間くらいで完成して投稿できるので、試しに投稿してみて反響をもらうことが自分の投稿のテーマになってる気がします。15秒の中でサビにどれだけ聴く側の気持ちになって考えられるかっていうのはよく考えていて、平坦な音楽じゃないけど「そこ、(音階が)上がるんだ!」というふうに、いかに興味を引く音楽を15秒の中に詰めて投稿できるか心がけています。

―音楽活動の場に、TikTokを選んだ理由は?

sui:中学に入ってから“自分で音楽を作ってみたいな”とか、“好きなアーティストさんの曲を演奏してYouTubeに上げてみたい”とは思っていました。実際にあげてみたのは高校に入って自分の時間ができてからだったんですけど、ずっと自分は動画を見る側としてTikTokをやっていました。始めるちょっと前に、“にんじんさん”って弾き語りの方の動画を見て。自分もこういう風に活動したら楽しいだろうなって思って、後押しされて始めましたね。一瞬で共有されて、すぐ届くっていうのがTikTokは群を抜いて早いですね。

―TikTokで活動をはじめた最大の理由は?

sui:自分の曲を出したりチャレンジしたいのはあったんですけど、いざ作るときはどういうふうに作ろうって、ハッキリしていなかった部分もあって。なかなか挑戦しずらかったんですけど、TikTokを見つけてからは“チャレンジしよう!”って気持ちになりました。

―手軽さみたいなものがあった?

sui:そうですね。動画を出した途端に「いいね」や反響のコメントを貰えるってこともあって、すぐに行動していろんな人とコミュニケーションが取れるっていうのも魅力でした。コメントをもらって、評価してもらえるのがいちばんの魅力だと自分は思ってます。

―これだけの反響があって、今後はどう活動していきたいですか?

sui:クオリティ高く、なんでもこなせるマルチクリエイターを目指したいですね。楽曲提供もしてみたいです。投稿に関しては、弾き語りの動画ばっかり出していたイメージなんですけど、最近は演奏中心の動画もあげたりして。ギターに限らず、“ピアノで弾いてみよう!”とか、いろんな音楽に挑戦してみようとは思っています。

―曲を公開する上で、気をつけてるポイントはありますか?

sui:この音楽だったら自分も好きで聴くだろうなと思うものを作っていきたいと思ってます。音楽を楽しんでる身なので、純粋に聞いてくれてる人たちには音楽を楽しんでほしくて、いろんな人に音楽の楽しさは伝えたいですね。

―同じくTikTokでヒット中のもさを。さんとのコラボ動画も投稿されてますね。

sui:もさを。さんの「ぎゅっと。」が投稿されるちょっと前に、「2人でハモったら面白いんじゃないか?」とコ2人で企画を相談して考えて作りました。

―投稿に関しては事前にネタを決めているの?

sui:投稿は思いつきで作ってあげてるので(笑)、下書きとかはなくて。歌詞だけできている曲はあるんですけど、ストックしておこうってのがなくて。作ってはあげて、作ってはあげての繰り返しです。

―そうなんですね。ちなみにプロフィール画像も可愛らしいですよね。

sui:これは自分のフォロワーが100人、200人超えた時に、趣味で書いてるフォロワーさんから「試しに描いてみました、どうですか?」って連絡が来て。それがすごくカッコいいなと思って、これで覚えてもらえたら嬉しいなと思って、その方とお話ししてプロフィール画像に使わせてもらってます。出会いがいろいろあるのも面白いですね。

―いろいろな可能性を秘めたプラットフォームですが、suiさんは今後は「音楽の道に今後進みたい」という強い意志があるようです。まだ将来の夢がはっきりしていない同世代の方も多いと思うので、最後にメッセージをお願いできますか?

sui:そうですね。「何をしたら良いかわからない」とか「興味あるのがわからない」と思ってる人もいると思うし、同じような友達も多いんですけど…無理に見つけなくても良いと思います。試しにやってみたことや行ってみた場所で影響を受けて自分は今こういう進路に決めてるので、自分の好きなものは大事にしたら良いかなって思います。

撮影:石丸敦章

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