JR東海、改良型リニアL0系お披露目 時速500キロで走行試験

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JR東海は10月19日、山梨リニア実験線で8月から走行試験を行っている改良型L0系の報道関係者向け試乗会を実施した。

JR東海の超電導リニアの技術開発は1990年に開始。同年11月に山梨リニア実験線が着工され、1997年から先行区間18.4キロで走行試験を開始した。従来型L0系の走行試験は2013年8月から始まり、2017年2月には営業線に必要な技術開発が完了している。

その後JR東海は、当初2016年度末までとしていた技術開発基本計画について、保守効率化や快適性向上を図るため、計画期間を2022年度末までに変更。リニア中央新幹線の営業車両の仕様策定に向けた改良型試験車の製作を2018年12月に発表し、今年3月に先頭車と中間車各1両が完成した。

改良型L0系の先頭車は日立製作所、中間車は日本車輌製造が製作。座席を従来型から大きく変更し、比較試験のため先頭車と中間車で異なる内装デザインを採用している。先頭車においては、照明や空調などに使用する車内用電力の供給方法を変更。灯油で発電する従来の「ガスタービン発電装置」から、電磁誘導作用によって非接触で電力を発生させる「誘導集電方式」に変わった。合わせて先頭形状を最適化し、空気抵抗を約13%低減。消費電力や車外騒音も抑えられた。

▲改良型L0系の先頭車車内(7号車)

▲改良型L0系の中間車車内(6号車)

改良型L0系は8月17日から走行試験を開始しており、7両編成のうち1〜5号車が従来型L0系、6・7号車が改良型L0系という編成を組んでいる。同月には実験線の設計最高速度となる時速550キロでの走行試験を実施し、安全上問題がないことが確認されている。

今回の試乗会では、実験線の東側起点(上野原市)と西側起点(笛吹市)との間42.8キロを最高時速500キロで2往復。報道関係者は従来型と改良型を1往復ずつ体験した。JR東海によると、一般向けの改良型車両試乗会の予定は現在のところないという。

リニア中央新幹線は2027年の品川〜名古屋間開業を目指して工事が進められているものの、静岡県の反対により静岡工区が着工できない状態が続いている。

▲改良型L0系の座席

▲従来型L0系の中間車車内

▲時速500キロで走行するL0系の車内モニター(改良型L0系)

▲時速500キロで走行中の車内(従来型L0系)

▲改良型の先頭車と中間車を組み込んだL0系