コロナ 売り上げ響く ファボーレ増床1年 

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買い物客でにぎわうファボーレの店内=富山市婦中町下轡田

 ショッピングセンターのファボーレ(富山市婦中町下轡田)は19日、増床リニューアルから1年を迎えた。今年は創業20周年の節目でもあったが、新型コロナウイルスの影響で、増床後1年間の売り上げは目標の7~8割にとどまった。周辺の商業施設だけでなく、コロナ禍で勢いを増すインターネット通販サイトとの顧客獲得競争も激化しており、実店舗としての価値創造が求められている。 (相川有希美)

 増床リニューアルでは売り場面積が約1.4倍となり、北陸初や県内初のファッションや雑貨店などが加わった。体験を楽しむ「コト消費」での集客を目指し、フードコートや子ども向けの遊び場も新設。近くに実家がある射水市松木(新湊)のパート、林則子さん(35)は「高校生の頃からよく遊んだ。食事や買い物が1カ所で済むので、今でも月1回は子どもと一緒に来る」と笑顔を浮かべる。

 増床後は着実に客数を伸ばしたが、今年に入り新型コロナの感染が拡大。国の緊急事態宣言を受け、4月中旬から約1カ月間にわたり臨時休業を余儀なくされた。県内での流行に伴い、従業員の感染も確認された。風評被害を懸念して情報を公開しない施設もあるが、運営会社の富山フューチャー開発は店舗名や勤務状況などを公表。角内康彦専務は「お客様とスタッフの安全が第一。情報を隠すと不安をあおり、信頼を失うと考えた」と振り返る。

 5月下旬の全面再開後、次第に客足が戻り、9月の客数は感染拡大前とほぼ同水準に。県内初出店の生活雑貨店「ロフト」では、同月末までに商品を購入した人数が23万人を突破した。滝村英之店長は「休業があったものの、多くの方に認知してもらえた」と語る。

 ただ、休業や外出自粛の影響で、増床後1年間のファボーレ全体の売り上げは当初の目標を2~3割ほど下回った。県内ではこの20年間で多くの大型商業施設が開業し、ネット通販も台頭。さらなる競争の激化が見込まれる。

 「ネットで物を買える今こそ、来店のきっかけをつくることが必要だ」と角内専務。今後、3密を避けたイベントを実施するほか、独自アプリに駐車場や店内の混雑状況を示す機能を追加することも検討している。「ファボーレは家族や友人と楽しく過ごすというレジャーの役割も担ってきた。20年先も地域から愛される店にしていく」