被爆者ら取材 平和学ぶ “親子記者”原さんが報告

完成した新聞を手にする原さん親子(中央)ら=長崎原爆資料館

 長崎の被爆者や平和への取り組みを取材する「親子記者事業」の報告会が14日、同市平野町の長崎原爆資料館であり、九州ブロック代表の原心花さん(11)=長崎大付属小5年=と母親の幸子さん(46)が取材の感想などを語った。
 日本非核宣言自治体協議会(会長・田上富久長崎市長)が毎年実施し13回目。本年度は全国から82組の応募があり、東京、福島などの9組が選ばれた。長崎県からの選出は初めて。
 原さん親子は被爆者の末永浩さん(84)から紙芝居を通した継承活動の話を聞き、芸術家の竹田信平さんから被爆者の声紋を描くプロジェクトに込めた思いを聞いた。新型コロナウイルス対策で県外参加者はリモートで取材。それぞれが暮らす地域にある平和関連施設なども訪問し、学んだことを記事にした。
 報告会では活動の様子を動画で紹介。幸子さんは「コロナ禍で改めて『平和って何だろうね』と親子で考えた」と応募した経緯を語り、心花さんは「話を聞きながらメモするのが大変だった。平和の大切さを知ることができた」と取材の感想を述べた。田上市長は「この夏感じたことをずっと忘れないで」と語り、同席した末永さんは「子どもたちが関心を持ってくれてうれしい」とほほ笑んだ。
 9組の記事を基にボランティアが新聞を作成。協議会ホームページで公開している。

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