長崎電気軌道 路面電車 南部延伸に難色

 長崎港松が枝埠頭(ふとう)の2バース化を見据えて長崎県が計画している路面電車の南部延伸について、運行する長崎電気軌道(長崎市)は19日、線路の複雑化など課題を挙げ「現状ではハードルが高い」と難色を示した。
 長崎市役所であった市議会長崎駅周辺整備・交通結節対策特別委員会で、委員から南部延伸の可能性について質問を受け、参考人として出席した同社の向賢治経営企画室長が答えた。延伸には民地の取得や信号の設置など課題があるという。
 出島電停から長崎みなとメディカルセンター方面へ直進する軌道新設の可能性も問われ、「(近くの)新地中華街電停混雑の危険性が緩和されるのであれば整備を希望する」と回答。一方、このルートを整備した上での南部延伸については、運営コストなどの観点から「クルーズ利用者の利便性向上という理由のみでは実施困難。周辺地域のにぎわい整備などを見極める必要がある」と慎重な姿勢を強調した。


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