被災の神仏像、修復へ光 山江村資料館の展示きっかけ 所在判明、仏師協力も

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人吉市の球磨川で見つかった観音座像と台座(手前)。会場を訪れた住民の話から、同市中神町の「小柿観音堂」の仏像と判明した=13日、山江村歴史民俗資料館

 7月の熊本豪雨で被害を受けた人吉球磨地域の神仏像を公開する企画展が、山江村歴史民俗資料館で4日から開催されている。仏像の元の所在地が判明したり、仏師が一部の像の修復に乗り出すなど、企画展を通して復興の光明も少しずつ見えている。

 展示しているのは、県文化課からの要請で同館が一時的に管理する約50点。水害で破損したり、納められている堂が損壊したりした像が並ぶ。

 人吉市の球磨川で見つかった観音座像(高さ約40センチ)は、来館した住民が「いつも手を合わせていた観音様」と涙ながらに話し、元の所在地が判明した。

胴体が真っ二つに割れた状態で見つかった人吉市の「湯の元観音堂」の聖観音像

 春と秋の彼岸に開帳される「相良三十三観音めぐり」の8番札所「湯の元観音堂」(同市温泉町)の聖[しょう]観音像(高さ約50センチ)。胴体が真っ二つに割れた姿に心を痛めた福岡の仏師が、「春の開帳までに修復し、住民にお参りしてほしい」と申し出た。

 大平和明館長(71)によると、展示している像の多くは未指定文化財で、修復費用の公的補助はない。堂の補修や再建も必要なため、募金箱を設置し協力を求めている。12月6日まで(月曜休館)。同館TEL0966(23)3665。(小野宏明)

熊本日日新聞 2020年10月16日掲載