勝間和代「“高配当”が期待できる、オススメの投資法とは?」

勝間和代さんは、早稲田大学ファイナンスMBAを卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーやJPモルガンで働いた経歴を持つ”お金のスペシャリスト。そんな勝間さんに、「お金」や「人生」の哲学を、著書『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)から一部抜粋して紹介します。
〈撮影:疋田千里〉


余裕があれば日本のリートと先進国のリート両方を買う

貯蓄をするなら投資信託のドルコスト平均法による積み立てがよく、実際に買ってほしい金融商品として、「全世界株式インデックス」と「日本株式インデックス」がおすすめです。

実はもう1つ、おすすめがあります。それが、「不動産投資信託」です。通称「リート(REIT)」と呼ばれていて、オフィスビルや商業施設、居住用マンションなどの不動産に投資して、テナントからの賃料という比較的安定した収入源を元に運用する金融商品です。

投資家から集めた資金だけではなく、銀行などの金融機関からの借入金も入れて大きな取引にするため、レバレッジがかかる、すなわち、自己資本に対する利回りが上がります。その分高い配当利回りが期待できる、ミドルリスク・ミドルリターンであることがおすすめする理由です。

なお、リートは積立NISAの対象外ですので通常の口座か、NISA口座を使ってください。

リートで買うべきは、株式の商品と同様に、不動産市場全体の動向を示す指数(リートインデックス)と同じように値動きするように作られたインデックスの商品です。

日本のリート(通称Jリート)のほか、先進国のリートと新興国のリートがありますが、お金に余裕がある方は日本と先進国の両方を買ってください。どちらか片方だけがいい場合で、住んでいる家が賃貸住宅の人は、日本のリートインデックスをおすすめします。

なぜかというと、家賃は不動産が値上がりすると上がりますが、そのときはリートの価値も上がるので、日本のものを買っていると家賃が上がった分をリスクヘッジできるからです。

いっぽう、持ち家に住んでいる人は、日本のリートを選ぶメリットは特にないので、先進国のリートインデックスにするほうがバランスがいいと思います。

どのリート商品を買えばいいのか?

具体的にどの商品を買えばいいか、ということですが、今ここで銘柄名を挙げても、1~2年で変わってしまうので、口座開設したネット証券で見て、信託報酬が一番安いものにするといいでしょう。

私は、十数年来ずっとインデックス投信をやっていますが、もっともリターンがいいのは日本のリートインデックスです。日本のリートインデックスは配当が高く、年間3~4%ずつ積み上がります。

10年続けると、30~40%の配当が入ることに。配当分は、基本的に再投資に回します。そこがポイントで、税金で多少取られようと、基準価格が多少変動しようと、配当による再投資だけはどんどん増えていくのです。

リートの投資対象はいろいろでワンルームマンション(区分マンション)や戸建て、駐車場に倉庫まであります。規模が小さい分、少額から始められるので、特に投信初心者の注目を集めています。

一方、現物の不動産商品も各種ありますが、私はおすすめしません。理由は投資対象が1カ所なので、そこの不動産価値が値下がったり、借りる人が減ったりしてしまうと、途端にその不動産の価値も下がるからです。

それに対して、リートインデックスは日本ないしは先進国の不動産市場の動向と同じように値動きするため、リスクに対して強いのが特徴です。リートを始めたいけど、どれを買ったらいいのかわからない、という人にもリートインデックスは本当におすすめです。

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