ここまで来た、ハイセンスの有機ELテレビ。圧倒的進化の2020年モデル「X8F」速攻レビュー

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2018年に東芝映像ソリューションを傘下に収めて以降、日本国内でも有力薄型テレビメーカーとして定着したハイセンス。ヒットの原動力は東芝映像ソリューションズと共同開発した高画質映像エンジン「NEOエンジン」搭載の4K液晶テレビだが、そんなハイセンスから人気機種「E8000」以来となる有機ELテレビ「X8F」が遂に発表された。

「X8F」(市場予想価格200,000円前後/税込)

数々の製品で技術力を高めてきたハイセンスの有機ELテレビ2020年モデル、X8Fとはどのような性能なのだろうか? 早速、発売に先駆けて視聴できた、X8Fの実機レビューをお届けしよう。

贅沢に導入された高画質エンジン “NEOエンジンplus 2020” とVOD対応

X8Fの全体像を解説すると、ハイセンスが日本国内で発売している4K液晶(ULED)テレビのフラグシップ「U8F」と同じく、東芝映像ソリューションと共同開発した高画質エンジン「NEOエンジンplus 2020」を搭載し、2020年世代の120Hz駆動対応の有機ELパネルを採用する。有機ELパネルのサイズ展開が55V型のみ(65V型の展開はナシ)という所が、日本市場向け設計らしいポイント。地デジ/BS/CSは3系統、4Kチューナーは1系統というスペックだ。

ハイセンスの最新高画質エンジン「NEOエンジンplus 2020」を搭載

高画質技術では、やはりNEOエンジンplus 2020の採用に注目。AIシーン別超解像処理、AIモーション処理、3段階超解像処理、エリア別適正露出復元、輝き復元、スムースモーションOLEDの新導入に加え、注目がハイセンスジャパンの企画によって導入の決まった “AIネット映像高画質処理” だ。

ネット動画のコンテンツ解像度やダイナミックレンジ・色域を判別する高画質化処理が、アルゴリズムによって加えられている。ハイエンドな映像体験に対してはDolby Vision対応と、高画質技術として対応する範囲も幅広い。

映像配信サービスの高画質処理技術のイメージ

ゲームプレイ向けに “ゲームモードPLUS” も新搭載。最大10,000nitという輝度範囲を用いられることのあるHDRのゲーム制作に合わせて、輝度範囲をゲーム映像に合わせて処理し、明るい部分から暗い部分まで白潰れ・黒潰れすることなく処理する “HDR映像信号処理Plus” も導入された。また3段階超解像処理も新たにゲームモードでも動作できるよう再設計されている。

ハイセンスのスマートTV機能は「VIDAA 3.0」となり、リモコンもYouTube、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu、AbemaTV、U-Nextの専用ボタンを搭載した。放送だけでなくネット配信がテレビ視聴コンテンツとしての比重が高まり、かつゲームも高画質化が進む昨今、X8Fの機能性は現代最新レベルであり使用において心配はない。

独自プラットフォーム「VIDAA」は3.0に進化
リモコンからの映像配信サービス起動もさらにスムーズに

圧倒的な進化。明るさと艶、輝きを得た高画質

ここからは実際にX8Fの画質をチェックしていこう。今回はE8000と比較するかたちで、一部同じソースで比較視聴を実施している。

映画もVODも高画質で楽しめる

まずは映像モード「スタンダード」で地デジのバラエティ番組を観てみると、画面全体が地デジのHD映像とは思えないほどに立体感があり、テロップまでノイズが少なく、人肌も血の気が通うリアルな、エントリークラスとは一線を画すハイクオリティ。特に画面全体の発色の純度が向上したことで、収録セットの金色の背景といった派手派手しさを再現する余裕すら現れた。E8000はナチュラル系画質だったのに対して、X8Fは液晶ハイエンドU8Fにも通じる、明るく艶やかな画質といったところ。

2019年モデル「E8000」との比較試聴も実施

新4K衛星放送の『新火師たちの頂上決戦 完全ドキュメント!秋田大曲 全国花火競技大会』では有機ELらしい夜空の黒沈み込みが液晶とは別次元の出来栄えだが、加えてX8Fは夜空の煙の漂う様までリアル。E8000の黒を沈めて漆黒を生む画質から、X8Fはリニアに映像の微小信号まで潰さず暗部階調を再現する方向性だろうか。打ち上がる花火の光の眩しさ、何よりも光の突き上げと純度は、”輝き復元” が働くX8Fの方が圧倒的にキレイだ。

UltraHD Blu-rayで視聴した4K/HDRの映画『グレイテスト・ショーマン』の作中、ジェニー・リンドが名曲『Never Enough』をステージで初めて披露するシーンも、映画の世界に呼び込むような真紅のカーテンの深みある色彩、ジェニー・リンドに当たるスポットライトの眩しさ、衣装に散りばめられた装飾の輝きの煌めきに目を奪われる。

HDRで制作された現代的な映画としての演出意図を再現するのが上手いのだ。有機ELテレビとしての画質向上の実力を感じずにはいられない。なお、X8Fの「映画モード」は色温度7500K(一般的には6500K)で、若干明るめの視聴環境に向けたセッティング。大画面テレビを設置する環境はすべてが暗室というわけではないことを踏まえ、むしろメインユースとなるリビングなどで美しい映像を楽しめるような調整だ。もちろん、暗室で視聴する場合など、映像メニューから自分でカスタマイズも可能だ。

ハイセンスの豊富な映像メニューは、もちろんX8Fにも搭載されている

Netflixで視聴した『スノーピアサー』(ドラマ版)の配信も、X8Fが実力を発揮。アニメーション、そして吹雪の下の暗い実写シーンから始まる作品だが、モヤが晴れるような見通しの良さが優秀。Netflixなどの配信サービスでは、再生開始直後は低解像度・低ビットレートでスタートして徐々に画質が向上していくのが常だが、X8Fは画質レートの上がりきらない時点でも、画面全体をあざやかな彩度と高コントラストで鑑賞できるレベルに引き上げる。ネット配信映像は画質もそれなりと考えがちだが、高画質処理をすればそれでも画質差は出るのだ。

テレビの視聴コンテンツとして主流となってきている映像配信サービスにも、X8Fの高画質処理が活きる

サウンドについては、フルレンジ4基(12W×4)、トゥイーター2基(12W×2)によるトータル72Wのパワフルな出力。 “ダイレクトサウンド” の思想で音を前に向けるとともに、3次元音響最適補正技術「Eilex Prism」を採用。例えばTV放送の人の声にも厚みがあってクリアに届くし、映画でも中低域のパワーを確保。音像定位位置も画面と一致するようになる。なお、映画用にはDolby Audioも働くので、耳の横程度までの広がり感も再現できるようになっている。

ハイセンスの有機ELテレビ2020年モデルであるX8Fは、もはや手の届く手頃なテレビとして語るべき製品ではないだろう。ブラッシュアップされた優れた操作性に、豊富な映像配信サービス対応。2020年世代の有機ELパネル、そしてNEOエンジンplus 2020の高画質、さらに音質までも薄型テレビのハイエンドとして通用する水準なのだ。もちろんハイセンスならではの値付けはさすがだが、ただ手頃なのではなく、加えて確かなクオリティも求めるならば、X8Fに決定だ。

(提供:ハイセンスジャパン株式会社)