ハコベル、SaaS型の輸配送管理システムを活用した取り組み成果を公表

ラクスル株式会社の運営する物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」は、物流DXの実現に向けた取り組みとして、荷主企業の繁忙期における運送業務のデジタル化を行っている。

ハコベルを利用する荷主企業の一社であるネスレ日本株式会社において、確定したオーダーに関しての納品率の改善と運送コストの削減および業務の効率化を検証。21日にその成果を発表した

ラクスルによると、SaaS型の輸配送管理システム「ハコベルコネクト」を荷主企業に導入することで、配車依頼から納品までの情報をWEB上で一元管理し、大幅な納品率の改善とコスト削減を実現できたため、その成果を発表したとしている。

荷主企業との取り組み内容については、以下の通り。

(1)配車業務の効率化

提携運送会社への配車業務

→配車業務のデジタル化、見える化で、業務時間を大幅削減

(2)納品率と運送コストの改善

確定オーダーの配送が、リアルタイムで把握可能となり、納品率が飛躍的に改善。

同時に再配達のコスト、緊急配送などが0に(昨年は数百万円)

※調査対象期間:2020年8月〜9月末日

また、今回導入事例として挙げられているネスレ日本株式会社での成果報告は、以下の通り。

【抱えていた課題】

ネスレ日本が近年シェアを急激に伸ばしている商品のひとつが、「ネスカフェ」のペットボトルコーヒー。ここ数年で需要が拡大しており、国内シェアは約50%に達している。現在、2つの生産工場から直接、取引先へ商品を直送しており、常時20社ほどの運送会社へ依頼をし、1日に300台〜500台ものトラックの手配をしている。商品需要が高まるほど、より多くの運送トラックが必要になり、需要が高まる繁忙期の8月には、通常時の10倍のトラックが必要となり「いかに確実にトラックを手配するか」ということが喫緊の課題だった。また、複数の運送会社と連携して行われる物流業務において、「情報連携の適正化」も課題の一つだった。運送会社とのアナログな受発注のやりとりの他、社内においても、工場、物流部門、営業部門における部署間の情報連携が一元化しておらず、トラブルが発生してしまうこともあり、その上、繁忙期となると需要が通常時の6倍にまで高まることで、納品ミスにつながるリスクを抱えていた。

【実現したこと】

上記の課題を解決するために、プロジェクトを開始。社内の部署間の情報連携および、提携運送会社への配車依頼を「ハコベルコネクト」を利用することで、情報の一元化が実現し、配車業務に関わる全ての配送ステイタスをリアルタイムで可視化できるようにした。前年までは、繁忙期における情報連携の不備による配達ミスなどにより再配達のコストなどが数百万円単位でかかっていたが、今年は確定したオーダーに関しての納品率も大幅に改善し、同時に再配達コストを削減することができた。また、配車業務時間に関しても短縮され、業務の効率化を実現することができた。

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