斜面維持補修施工技術研究会/のり面保護維持・補修で指針案/網羅的に判断基準明示

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斜面の維持・補修や更新技術の確立などに取り組む「斜面維持補修施工技術研究会」(日下部治会長)が「のり面保護工の維持・補修に関するガイドライン(案)」をまとめた。のり面保護やアンカー工など斜面防災分野を横断的に網羅し、健全性評価や対策事例などを提示。補修・補強の早期措置が必要な場合の判断基準を明示し、予防保全対策も盛り込んだ。発注者を含め講習会などで広く周知する。1年程度をめどに工事事例集や積算マニュアルの作成も目指す。

ガイドラインは変状ランクを▽健全▽経過観察▽補修・補強(早期措置)▽同(緊急措置)-の4段階に区分。植生工をはじめモルタル吹き付け工や吹き付けのり枠工、鉄筋挿入工、グラウンドアンカー工といった工種ごとに、変状の種類や評価、対策工の選定、対策事例を明示した。評価時のしきい値も判断基準も具体的に掲げた。仮設で必要な対応も示した。

既存ガイドラインを参考にするとともに、植生工や吹き付けのり枠工、鉄筋挿入工は同研究会が新たに検討して示した。事例が少ない分野は試案と位置付け必要に応じて改訂する。

20日に東京都内で開いたガイドライン発表会で日下部会長は「のり面保護はまだ技術体系ができていない。横断的に技術体系をまとめたい」と語った=写真。来賓の国土交通省・山田邦博技監は「斜面を管理する官公庁や自治体、コンサルタント、施工者に有用なバイブルになる」との認識を示した。12月中旬に発注者など、21年2月初旬に建設コンサルタント向けの講習会を行う予定。

同研究会は2019年4月に発足した。正会員としてのり面専業者5社、賛助会員としてコンサルタント3社が参画している。事務局は日特建設が務める。斜面防災対策技術協会(辻裕会長)、全国特定法面保護協会(宝輪洋一会長)、日本アンカー協会(中原巖会長)が協力・協賛している。

のり面保護工は更新時期を迎えているものが多いが、トンネルなどに比べ点検などが遅れている。同研究会は、災害後の対症療法ではなく予防保全の観点からの対応が必要との認識で、のり面保護技術のプラットフォームや相談窓口としても活動する。将来的には一般社団法人化を目指す。

日下部治会長