岡安学の「eスポーツ観戦記」 第41回 「EDION VALORANT CUP」はジャイキリでSCARZが優勝、手越祐也のトークも冴えた

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2020年10月2から4日までの3日間、FPS(ファーストパーソンシューティング)『VALORANT』のトーナメント大会「EDION VALORANT CUP」が開催されました。『VALORANT』で活躍するプロチームを6チームを招待した、国内最強チームを決定する大会です。今回は無観客で試合が行われましたが、選手は会場入りし、オフラインで対戦しました。

『VALORANT』は、オンラインストラテジーゲーム『League of Legends(LoL)』を開発しているライアットゲームズが手がけた5対5の対戦型タクティカルFPSです。拠点を守るディフェンダー(防衛側)と拠点を制圧するアタッカー(攻撃側)に分かれ、相手を全滅させるか、爆弾を起爆させるか、時間切れになるかのいずれかで決着がつきます。爆弾を起爆させれば攻撃側の勝利で、時間切れになると防衛側の勝利となります。

EDION VALORANT CUPのレギュレーションは、シングルエリミネーションのトーナメント。出場チームのうち、「BlackBird Ignis」「Lag Gaming」「REJECT」「SCARZ」は1回戦から、「DetonatioN Gaming」と「Absolute Jupiter」の2チームは、シードで2回戦からの出場です。試合はBO3(2勝勝ち抜け)。1ゲームは13ラウンド先取すると勝利で、最大25ラウンドまで行います。アタッカーとディフェンダーは、12ラウンド終了した時点で入れ替わります。

初日の10月2日は、1回戦2試合行われ、1試合目はREJECT対BlackBird Ignisの対戦。2試合目はSCARZ対Lag Gamingの対戦が行われました。結果は、BlackBird IgnisとSCARZが勝利し、2日目に進出します。

2日目の10月3日は、1回戦を勝ち上がったBlackBird Ignis対シードのDetonatioN Gaming、同じく1回戦を勝ち上がったSCARZ対シードのAbsolute Jupiterとの対戦。1試合目はシードの貫禄をみせたDetonatioN Gamingが勝利します。また、2試合目は優勝候補筆頭のAbsolute JupiterをSCARZが下す大番狂わせにより、SCARZが決勝戦へとコマを進めました。

Jupiterは今大会までオンライン大会無敗の好成績を残しており、SCARZは思うような結果を出せていなかっただけに、まさにジャイアントキリング。Jupiterは、オフラインでのPCや周辺機器の環境に慣れる前に試合が終了してしまったという話もありました。そういう意味では前日、一度試合をしていたSCARZが環境に慣れており、Jupiterは有利であるはずのシード権が不利に働いたとも言えるかもしれません。

最終日は、準決勝を勝ち抜いたDetonatioN Gaming対SCARZ。2日目に強豪Absolute Jupiterを破った勢いをそのままに、SCARZが1試合目を先取。続く2試合目、12対11と先に王手をかけたのはDetonatioN Gamingでした。そこからSCARZが12対12のデュースに追いつくも、すぐにDetonatioN Gamingが引き離し再度王手をかけます。しかし、ここからSCARZが怒濤の3連勝をし、13対15で決着。SCARZが優勝を決めました。

『VALORANT』は、2020年6月にローンチしたばかりのタイトルです。まさにコロナ禍で緊急事態宣言がなされていたときにリリースされており、大会は基本的にオンラインで行われていました。したがって、オフライン大会自体が初めてという選手もいたはずです。

オフラインでは、PCやキーボード、マウスなどの機材がいつもと違い、椅子やモニターの高さを調整しきれないまま試合をしなくてはなりません。また、観客はいないものの、運営スタッフや取材陣、関係者などが試合の様子を見ており、プレイする環境は自宅やチームの練習場とは大きく異なります。

多くの人が、オフライン大会に出場すると直面する障壁なのですが、今大会でもその傾向があったとみられます。ただ、そういった障壁を克服してこそのオフライン大会とも言えるので、どのチームもいい経験になったのではないでしょうか。

選手間でのコミュニケーションのとりやすさや仲間が近くにいる安心感、チームオーナーや関係者が応援してくれる力強さも感じられたと思います。今後、観客が入ることになれば、なおさら、応援による後押しが力に変わってくるので、オフラインの良さも体験してほしいところです。

また、今回の大会には手越祐也さんがゲストとして参加していました。eスポーツイベントにはタレントゲストが多々登場しますが、手越さんは普段からFPSをこよなく愛し、プレイしているだけあり、試合やチームに関するコメントも的確。実際、オンラインで視聴者していたユーザーからの評価も上々で、VALORANTファンに好感を持たれているようでした。特に、大会中のトラブルによる待ち時間も、持ち前のタレント力でつなぎきり、視聴者を飽きさせないのは、さすがと言ったところです。

まだ次回の予告はされていませんが、「EDION VALORANT CUP」はしばらく続きそうな気配。次回も熱い戦いぶりを期待します。

著者 : 岡安学

おかやすまなぶ