ポルトガルでの新型コロナウイルス規則が厳格化。今週末のグランプリは観客の入場者数を削減へ

 10月23~25日に開催される2020年F1第12戦ポルトガルGPの主催者は、ポルティマオのアルガルベ・インターナショナル・サーキット(ポルティマオ・サーキット)に入場できるファンの人数を減らすことを余儀なくされた。

 レース当日については会場の総収容人数の約半分である、最大4万6000枚のチケットが販売されている。金曜日のフリー走行と土曜日の予選についても、同程度数の観客がグランドスタンドへの入場を許可されると予想されていた。

 しかし先週、この地域での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染件数が急増したことから、ポルトガルの保健総局長(DGS)による緊急の見直しが行われることになった。

 金曜日にはパンデミックが始まって以来、1日あたりの最高記録となった合計2608件の感染例が報告され、先週には100人が亡くなった。ポルトガルでは1010万人の人口中、新型コロナウイルス感染者が合計で9万5902人、死亡者数は2149人となっている。

 ポルトガルでは現在、公共の場で集まることが許される人数を5人までに制限し、公共の場でフェイスカバーの着用を義務化する新しい法律の施行を進めている。

 グランプリに関してはファンの入場者数を制限するか、もしくはファンを入場させず、強制的にレースを“無観客レース”にする選択肢があった。

 そして火曜日には、主催者がグランドスタンドの指定席が割り当てられない“一般入場券”を廃止したことが発表された。

「先週、ポルトガルでは政府の決定により、COVID-19の世界的流行に立ち向かう措置を増強する、一連の追加制限措置が国内で実施された」と主催者は声明で述べた。

「これらの新たな措置の結果、保健および行政当局は、ポルトガルGPにおける一般市民の参加に関する新たな制限と禁止事項も決定した」

2020年F1第12戦ポルトガルGPが開催されるポルティマオ・サーキットのグランドスタンド

 声明によると、これら措置には“許可される観客者数のさらなる削減”が含まれているという。

 また、この決定によって影響を受ける一般入場エリアのファンには全額が返金されるという。主催者は現在も「いくつかの解決策」に取り組んでいると付け加え、さらに以下のように続けた。

「我々は今の状況が変わることを強く望んでいた。そうすれば、すべてのことを異なった方法で行うことができた」

「しかし我々は、このような状況に遭遇したときはそれに適応し、私たちの手の届く範囲内で解決しなければならない」

 FIAには、グランプリイベントのパドック内でどのように振舞うべきかを定めた独自のルールとプロトコルがあり、それにはドライバー、チームスタッフ、オフィシャル、会場スタッフの定期検査も含まれている。

 マクラーレン、メルセデス、ルノーのチームスタッフからコロナウイルスの陽性例が報告されているなか、これまでのところドライバーで陽性結果が出たのは、レーシングポイントのセルジオ・ペレスとランス・ストロールだ。

 ペレスは8月に行われたシルバーストンでの連戦欠場を余儀なくされ、直前になってニコ・ヒュルケンベルグが代役となった。ヒュルケンベルグは、直近のニュルブルクリンクのレースでも体調不良のストロールの代走を務めた。そのストロールも、アイフェルGP後の検査で陽性結果が出ていたことを明らかにしたが、現在は陰性となっているため、今週末のポルトガルGPには出場するという。

2020年F1第11戦アイフェルGP金曜 ランス・ストロール(レーシングポイント)

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