コロナ禍以降の株式投資。どのような点について考えながら運用を行っていけばいいか

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今後、考えておくべき5つのポイント

まず、世界情勢についてです。次のような点をポイントとして考えてみるといいかもしれません。

(1)新型コロナウイルス感染症収束に向けての動き

新型コロナウイルス感染症はどのように収束していくのか、また、収束までにどれぐらいの期間を要するのかなどです。これについて考えることは、つまるところ、実体経済の回復期待がどの程度醸成されていくのかを予測することにつながります。

(2)アメリカ大統領選挙の行方

トランプ大統領が再選するのか、バイデン氏が新たな大統領になるのかです。共和党が勝つか、民主党が勝つかといい換えることもできますが、共和党が政権を維持すればアメリカ経済はどうなるのか、民主党が政権を奪還すればアメリカ経済はどうなるのかを予測するのに役立てていきます。

これについての重要ポイントは、資産運用をするわけですから、トランプ大統領が再選した場合のドルマネーの流れとバイデン氏が大統領の座に就いた後のドルマネーの流れがそれぞれどうなるかをイメージすることです。

(3)米中の対立が深まるのかどうか

2年前に激化した米中貿易摩擦はもとより、安全保障面での対立や香港だけでなく他の地域での民主化運動を巡る対立など、大国同士の攻防の変化を見ていく必要があります。

米中貿易摩擦だけでしたら株式市場としては比較的分かりやすいですが、多方面での対立に及んでいるため、他の国々を巻き込んだ広範の対立構造として捉えるようにしましょう。

(4)先進国および主要国を中心にした実体経済の状況

先進国や中国・ロシアなどの新興国も含め、各国における経済実態がどのようになっているかをある程度観察しておくという意味です。

アメリカの場合は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い州ごとでロックダウンをした所とそうでない所に分かれましたが、結果として、すでに実体経済を回復させるための手だてを積極的に講じています。

日本においては、アメリカと比べると回復に向けたスピードや支援の内容に少し見劣りがありますが、今後は、感染症対策を講じながら経済を元に戻す動きになってくると思います。

(5)新たな金融ショックは起こるのか

可能性としてですが、株式市場において次に起こるかもしれない大きなリスク要因といえるかもしれません。金融ショックは、例えば、通貨危機や金融機関の貸し倒れなどに伴う金融機能の低下が挙げられますが、特に銀行においては一定の期間経過後に、場合によっては貸し倒れリスクが顕在化する恐れが指摘されています。

マクロの出来事をチャートに落とし込んで考えてみる

それではチャートを確認しておきましょう。下のチャートは日経平均株価指数の長期チャートですが、ポジティブシナリオとして、今後の展開はあくまでも個人的な見解の下、任意で描いています。必ずしもこのような動きになるというわけではないためご留意ください。

◆日経平均株価指数 ポジティブシナリオ

※筆者作成

簡単にこのシナリオについて説明をすると、コロナショック後の底値からの戻り相場が今後も続くといった見立てです。一方で、ネガティブシナリオも描いてみると、次のようになります。

こちらについても必ずこうなるというわけではないため、この点についてはご留意いただけると幸いです。

◆日経平均株価指数 ネガティブシナリオ

※筆者作成

ネガティブシナリオでは、今後の展開としてコロナショック後の戻り相場が終わり、反転下落するという内容です。

いずれにせよ、確定的なことではないため何ともいえませんが、仮にポジティブシナリオのように日経平均株価指数が動くなら、先ほど述べた(1)~(5)のポイントはどのように考えることができるだろうか、また、仮にネガティブシナリオのように日経平均株価指数が動くなら、同じく(1)~(5)のポイントはどのように考えることができるだろうかということを考察するために使っていく材料として捉えてみてください。

例えば、ポジティブシナリオなら、(1)の新型コロナウイルス感染症については時間がかかるでしょうが、株式市場はこれを事前に織り込み、積極的に株式が買われやすい地合いがこれからも継続するかもしれないと予測できます。

逆に、ネガティブシナリオでは、同じく(1)を例に挙げると、新型コロナウイルス感染症の収束に向けたワクチン開発が思うように進まず、結果として実体経済の回復が遅れることで株式市場では売りが膨らむと予測することができるかもしれません。

まとめ

株式市場の予測を確定的にすることは誰にもできないことです。しかし、資産運用は将来起こり得ることを想定しながら行っていくことでもあるため、自分なりに情報と向き合い、時には熟慮し、時には直感で投資判断を下す必要が出てきます。

これについては、積立投資をしていても、原則的には必要不可欠なことであるため、ある程度しっかりとした学びが必要といえるでしょう。コロナ禍以降の資産運用は状況次第で私たちの老後を決めてしまう大切な局面ともいえます。

よく考えながらどのように運用していけばいいかを自分なりに見つけていきましょう。

執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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