奨学金の申込は本人がしたほうがよい?奨学金を借りた人への調査からみる延滞者にならないためのヒント

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奨学金申請時の申込手続きを行った者

奨学金申請時の申込手続きを行った者は、無延滞者では 65.6%が「奨学生本人」であるのに対し、延滞者では 36.7%と低くなっています。また、延滞者は無延滞者に比べて、親等が申請時の申込手続きを行った比率が2倍強になっています。

教育ローンの契約主体は保護者ですが、奨学金の契約主体は生徒(学生)本人です。保護者が申込手続きを手助けするのは構いませんが、子どもに代わって保護者が申込手続きを行うのはやめましょう。子ども自身が、奨学金の返還をしていくことの自覚が生まれません。

■無延滞者
本人 65.6%/本人と親等 16.5%/親 15.7%/わからない・その他 2.2%

■延滞者
本人 36.7%/本人と親等 18.5%/親 34.3%/わからない・その他 10.5%

奨学金の返還義務を知った時期

返還義務を知った時期は、無延滞者では「申込手続きを行う前」が 90.1%に対し、延滞者では 51.1%と約半数となっています。また、延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は 20.1%で、その半数以上の 11.5%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答しています。

生徒(学生)本人が奨学金の申込手続きを行うことにより、奨学金の返還義務が自分にあることを認識し、「延滞督促を受けてから」知ったというようなことは避けられると思います。

■無延滞者
申込手続きを行う前 90.1%/申込手続き中 5.4%/貸与中 2.5%/遅延督促前0.9%/その他1.1%

■延滞者
申込手続きを行う前 51.1 %/申込手続き中 13.0%/貸与中 9.0%/遅延督促前8.6%/遅延督促を受けてから 11.5%/その他6.8%

延滞が始まった理由

延滞が始まった理由(きっかけ)は、「家計の収入が減った」が 67.1%で最も高く、次いで「家計の支出が増えた」39.5%、「入院、事故、災害等にあったため」18.1%、「忙しかった」14.1%となっています。

また、延滞が継続している理由は、「本人の低所得」が 64.0%で最も高く、次いで「奨学金の延滞額の増加」39.9%でした。男女別で見ると、男性は女性に比べて「本人の借入金の返済」の比率が高く、女性は男性に比べて「配偶者の経済困難」の比率が高くなっています。

奨学金は卒業後(貸与終了後)7カ月目から返還が始まります(3月卒業の場合は10月から)。社会人1年目は収入も多くなく、予定外の支出も多いことから、貯蓄をするのが難しいかもしれません。学生時代にアルバイトなどして、返還原資を蓄えておく工夫も必要です。

奨学金を借りた新社会人は貯蓄マイナスからのスタートですので、家計簿などで家計管理をし、支出をコントロールする習慣を身に付けましょう。浪費癖をつけないためにも大切です。

また、貯蓄ができるまでは、医療費に備えて民間の医療保険に加入することも検討しましょう。定期タイプであれば安い保険料で大きな保障を得られます。

延滞する前に

3カ月延滞すると個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に登録されます。登録されると、クレジットカードの作成や住宅ローンなどの利用が制限されます。また、一度登録されると、返還完了後5年間記録が残ります。

日本学生支援機構には返還が困難になった人に「返還期限猶予」や「減額返還」といった救済措置を設けていますが、認知度は高くありません。

調査によると、猶予制度を返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で 37.3%であるのに対し、延滞者では 4.8%となっています。返還が困難になった場合、必ず、日本学生支援機構に相談しましょう。

執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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