ゼロからはじめるPython 第67回 格安ChromebookでPythonプログラミング

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今回はChromebookでプログラミングをはじめる方法を紹介する。ChromebookではAndroidアプリが動く上に、Linux(Debian)を手軽にセットアップできるように工夫されている。しかも、LinuxにPythonは最初からインストールされている。そこで、今回は簡単にPythonでプログラミングをはじめる方法を紹介する。

Chromebookを入手したらPython環境を構築しよう

先日、iPadの新モデルを購入しようと思っていたのだが、安価なChromebookが目に留まった。Chromebookは一時期テレビCMも流れていて気になっていた。それで、iPadの代わりにChromebookを購入してみたのだ。

そもそも、Chromebookは名前から分かる通りWebブラウザのChromeを軸においたOSだ。昨今の業務ではWebブラウザ上で作業することが多いので、Webブラウザだけでも十分仕事ができるのが特徴だ。しかも、ブラウザだけしか使えない訳ではなく、Androidアプリも動かすことができる。そのため、ブラウザだけでこなせない仕事はAndroidアプリが補ってくれる。

しかも、Linuxを動かすことができる。これは大きなアドバンテージだ。最近ではWindowsでもLinuxを仮想的に動かすことができるWSLが用意されており非常に手軽に導入できるが、ChromebookのLinuxも同様に手軽にセットアップできるよう配慮されている。Pythonなどのスクリプト言語に加えてLinux由来の便利なツール群を利用できる。

もちろん、本連載の読者であれば、いろいろな環境でPythonを動かしたいと思っていることだろう。筆者もさっそく普段使いのいろいろなPythonスクリプトを動かしている。サクッとLinux環境が起動しターミナル上でプログラムを動かせるので重宝している。

Chromebookであれば実に簡単にPythonを動かせるようになるので試してみよう。

ChromebookでLinuxをはじめる方法

まずは、ChromebookにLinuxをセットアップしよう。なお、この手順は原稿執筆時点で最新のChromeOSバージョン86を対象にしている。

手順だが、最初に設定アプリを開こう。そして、設定の左側の下の方にある「Linux(ベータ版)」をタップして、Linuxの項目にある「オンにする」のボタンを押す。

すると、「ChromebookにLinux(ベータ版)をセットアップ」というダイアログが起動する。右下の「次へ」ボタンを押そう。すると設定の指定画面が出る。「username」に適当なユーザー名を指定し、「インストール」ボタンをタップしよう。少し待っているとセットアップが完了する。このように非常に簡単だ。

Python3は最初から入っている

するとターミナル画面が表示される。読者の中にはこうした真っ黒な画面に抵抗がある人もいるかもしれない。Linuxはコマンド入力によるインターフェイス(CUI)が主体になる。しかし、それほど難しくないので、プログラミングと一緒に基本的な使い方に慣れておくと良いだろう。

なんと、Pythonが最初からインストールされている。そこで、「python3」と入力してエンターキーを押してみよう。すると、Python3の対話実行環境が起動が起動する。ここで対話的にPythonを実行できる。

対話実行環境では、一行ずついろいろなプログラムを書くことで実行できる。試しに簡単な計算をしてみよう。「>>>」が表示されると入力可能なことを示している。この後ろに計算式を入力しよう。

</code>

すると、3 + 4 × 5 が計算されて、23という答えが表示される。Pythonでは掛け算をするのにアスタリスク「*」を使う。次に、もっと複雑な計算をさせてみよう。

</code>

これは1234の4567乗を計算する計算式だ。どうだろうか?次の画像のように一瞬にして大きな桁の計算が行われて結果が表示される。

なお、quit()と書き込むとPythonの対話環境が終了する。

簡易開発環境のIDLEを使ってみよう

次にGUIでPythonを使えるようにしてみよう。IDLEというPythonの簡易エディタと実行環境があるのでこれを使ってみよう。

以下のコマンドをコピーして貼り付けて、Linuxのターミナルで実行してみよう。なおターミナル画面にテキストを貼り付けるには、[ctrl]+[shift]+[v]キーを押すか、マウスで右クリックすれば良い。

sudo apt upgrade -y
sudo apt update

# Python3 のIDLEをインストール
sudo apt install idle3 -y
</code>

すると、IDLEがインストールされる。ターミナル画面で「idle」と入力してエンターキーを押すと、Python3の簡易実行環境のIDLEが起動する。また、ChromeOSのアプリ一覧の中に、Linuxアプリというグループができるので、その中からIDLEを選択して実行することもできる。

なお、のFizzBuzzのプログラムを動かしてみた。

また、本連載の9回目で作ったライフゲームも問題なく動かすことができた。

残念、LinuxのGUI上では日本語入力できない

ただし、原稿執筆時点(ChromeOS 86)ではLinuxのGUI(X Windowsシステム上)で日本語を入力することはできない。これは全く日本語が打てないという意味ではなく、ターミナル上では日本語が入力できるものの、GUIアプリ上で日本語が入力できないという意味だ。

それでも、Linuxに別途Mozcなどの日本語入力ツールをインストールすることで日本語入力が可能になる。手順が複雑なので本稿でその方法は紹介しないが「chromebook crostini 日本語入力」などのキーワードでWeb検索すると情報が見つかるだろう。

ただし、前述のようにGUIを使わないのであればターミナル上でも普通に日本語入力できる。そのため、日本語入力が必要な場面ではChromeOS側で日本語を入力し、実行をLinux側で行うというように作業分担する手もあるだろう。

また、多くのプログラマはLinuxを使うときに、GUIアプリを使わずターミナルの中だけで作業することも多い。そのため、敢えてGUI環境に頼らず、ターミナルの使い方を学ぶ練習になるかもしれない。

Chromebookでプログラミング

上記のように、Chromebookを使うと、手軽にLinuxの画面を起動してプログラミングをはじめることができる。筆者が購入したのは4万円で本体とキーボードを分離できるタイプのものだが、持ち歩いてストレスなく利用できている。

もちろん、ターミナルを使っている限り、それほどマシンパワーが要らないというのもあるが、Chromeブラウザとターミナルの切り替えもスムーズで、クリップボードを介してテキストのやりとりもできる。そのため、筆者のようにChromebookはWebブラウザとLinuxターミナルが快適に使えれば良いという人にはぴったりの端末だ。

なお、ChromebookではAndroidアプリも動作するので、以前、本連載の59回目で紹介したTermuxを利用してPythonを動かすこともできる。Pythonのプログラムから手軽にAndroidの固有機能を実行できるので、筆者はChromebookにこちらも一緒にインストールして活用している。