NTTデータとキリン、事業部門ごとの顧客データを一元管理しデジタル施策を実現するプラットフォームを開発

キリンホールディングス株式会社(以下、キリン)では、セキュリティー問題・アルコール規制の高まりやD2C・オンライン店舗の拡大、消費者の価値観や行動の多様化などの外部環境変化により、キリンのデジタルプラットフォームはデジタルへの対応力強化が必要とされていた。他方、株式会社NTTデータは事業成長、事業拡大に貢献するパートナーとして、キリングループの中長期経営計画に基づき、価値創造を加速するICTなどのイノベーションをともに実現することを目的に、直近では消費者ニーズの多様化への対応を可能とする「キリンビール福岡工場でのAIを活用した濾過計画システムの導入」などに取り組んできた。このほど、両社はキリンの事業活動の土台となるプラットフォームとして、デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(以下、DXP)を共同開発し、2020年10月から運用を開始した。DXPは、これまでキリンの事業部門個別に最適化されていた消費者とのコミュニケーションツールを結合し、顧客データの一元管理を可能とすることで事業部門は新規施策に注力でき、例えば顧客情報を活用したSNS施策(例:LINEキャンペーン)などさまざまなデジタルマーケティング施策をスピーディーに実行できる。これにより、多様化する消費者のニーズに合ったマーケティングが可能となる。また、DXPには株式会社セールスフォース・ドットコム(以下:Salesforce)のアプリケーションの開発から実行、運用までをクラウドで完結できるプラットフォーム「heroku」を採用し、ビジネス要件への対応スピードが速いプラットフォーム・汎用の連携プログラム(API)を活用している。これにより、キリンの新事業立ち上げの際の各コミュニケーションツール作成の対応スピードを高速化する。その他、SalesforceのSalesforce Marketing CloudやService Cloud、Talend株式会社のETLツール等を活用したフルクラウド環境を実現しており、セキュリティー対策や法規制、消費者の価値観の多様化により急速に変わるビジネス要件などの外部環境変化を考慮したデジタル対応力の強化に成功している。

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