J-WAVE をザワつかせた謎多き R&Bグループ “マザラティ” を再確認! 1989年 6月22日 マザラティのセカンドアルバム「マザラティ2」がカナダでリリースされた日

80年代後半に大流行したニュー・ジャック・スウィング

手元に1本のVHSテープがあります。それには映像が入っておりません。これは今年の4月~5月、いわゆるコロナ禍が発生して家に居ざるを得なかった際、VHSビデオをPCに取り込むという断捨離を実施している際に発掘されたものであります。その中には若かりし頃にカセットテープを素材に作成していた “自作ノンストップミックス” が収録されていたのです。

元々の素材がカセットテープであり、しかもそれをHi-Fi規格とはいえ30年前のVHSに保存していたのですから、その音質は褒められたものでもないのですが、そこを思い出補正しながら聴き始めたわけです。

その中には当時流行のニュー・ジャック・スウィングを基調とした、お馴染みのあのアーティストによる、あんな曲やこんな曲が入っておったのでありますが、数曲ほど忘却の彼方に追いやられてしまっておりました。

アーティスト名はマザラティ、J-WAVE「TOKIO HOT 100」で判明

しかし今は2020年。技術の進歩が解決への手助けをしてくれる時代です。そこでスマホを取り出しまして “曲を聞かせるとタイトルを教えてくれるソフト” の力を借りました。しかし、1曲だけ答えがわかりませんでした。

その後はサブスクサイト、iTunes Storeなども当たったのですが配信なんぞもちろんしておりません。さあ、これは気になるぞ… と、あり余った時間を借りてついカッとなって深追いをしてしまったアーティストが今回紹介させていただくマザラティの「The Saga Of A Man」というわけでございます。

深追いしようとはいえ、とりあえずこの段階では「ニュー・ジャック・スウィングぽくてかっちょよい」という、とてもざっくりとした手がかりしかありません。

さて、そこでどうやってそこまでたどりつこうか… と考えた際に思いついたのは、そういえば当時のワタクシの洋楽におけるニュースソースは主にMTVとJ-WAVEの「TOKIO HOT 100」であったこと… そこまでは容易に思い出せました。そして私は大体1989年頃にランクインしていたであろうその曲を「TOKIO HOT 100」の膨大なデータベースから “それっぽい名前のアーティストとタイトル” という非常にざっくりした検索キーによって探索を開始いたしました。

それっぽいタイトルをググっては投げググっては投げ… を繰り返したところ、とあるYouTubeのページに見事ヒット。その曲こそ、マザラティの「The Saga Of A Man」であることが判明して30年越しの探索は成果を上げたわけでございます。

なんと、プリンスファミリーによるプロデュース!

アーティストとタイトルがわかってしまえばこっちのもの。Amazonで「The Saga Of A Man」の12インチシングルを購入するなどしたのですが、このアーティスト、某ソフトに聴かせてもタイトルが出てこないことからご賢察いただけるように、まあなんとも情報がございません。とりあえず英語版のWikipediaから収集できた情報は以下の通りです。

■ プリンス&ザ・レヴォリューションのベーシスト、ブラウンマークによるプロデュースである
■ デビューアルバムはプリンス御大自らのプロデュースである
■ クライマックスのバーナデット・クーパーによるプロデュースである
■ レーベルのゴタゴタにより再発売がされていない
■ あまり売れなかった(本当に書いてあるんだもん…)

うーん残念すぎる… かっちょいいのに… かっちょいいのに…
というわけで、どのような曲かをお知らせさせていただくと、

■ ボイスサンプリングからはじまるインパクトあるイントロ
■ リンドラムを基調としたタイトなGo-Goリズム(いわゆるニュー・ジャック・スウィング)
■ かっちょいいギターソロ(とてもプリンスっぽいんですが、クレジットが無い。これってまさか!? まさかねえ… と謎は深まります)
■ ソウルにあふれたボーカル

という80年代後半のイケてるR&Bの要素満載であります。しかし、「The Saga Of A Man」が収録されたアルバム『マザラティ2』は日本では発売はされておらず(カナダのみでしか発売されなかったとのこと)、90年代にデビューアルバム『マザラティ』がWEAからCDで発売されたのみであるとのことです。

このまま埋もれてしまうのは残念、マザラティの情報求む!

それにしても、このような曲がランクインしてしまうTOKIO HOT 100はすごい! リクエストしたりレコード買ったりしていた当時のリスナーの皆様は本当にすごい! 感謝感謝であります。

様々な事情に翻弄されたとはいえ、これだけのスタッフと技量あるミュージシャンによるかっちょいい曲がこのまま埋もれてしまうのは残念過ぎる。1人でも多くに人にマザラティを聴いてほしいなぁと思い、このような経緯をお話した次第です。まだまだ情報が足りないので、ご存じの方ご教示お願いいたします!

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カタリベ: KZM-X

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