発足30年を迎えた西京シネクラブ 10月31日上映作品はハチャトゥリアンの名曲「剣の舞」誕生秘話

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 「仮面舞踏会」や「剣の舞」など数々の名曲を残したクラシック音楽の巨匠アラム・ハチャトゥリアン。切っ先が交わるような曲調が特徴的な「剣の舞」の誕生秘話を描いた映画「剣の舞 我が心の旋律」(2018年、ロシア・アルメニア)が、10月31日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で上映される。時間は午前10時半、午後1時半、4時、7時からの4回。

 舞台は第2次世界大戦下のソ連。レニングラード国立オペラ・バレエ劇団の団員たちは軍部の監視や物資の乏しさなどの困難に耐えながら、まもなく初演を迎えるバレエ「ガイーヌ」の練習を続けていた。音楽を担当するアラム・ハチャトゥリアンは、振付家ニーナから連日のように変更を伝えられ、修正に追われている時、文化省の役人プシュコフが公演前の検閲に現れた。突然、彼は完成した舞台の結末を変更した上に、最終幕に士気高揚する踊りを追加するよう、無理難題を吹っかける。公演開始まであと8時間に迫る中、作曲家人生を懸けて理不尽な挑発に立ち向かうアラムは―。

 主催する西京シネクラブは1990年10月、山口県内ではほとんど見ることのできない新作名画を毎月鑑賞する会員制サークルとして発足し、今月30周年を迎えた。第1回の上映作品は「五月のミル」(1990年、フランス)で、1990年11月22日に上映。「バベットの晩餐会」(1987年、デンマーク)、「フランスの友だち」(1989、フランス)、「非情城市」(1989、香港)など、これまでに400本近い新作映画を配給元から取り寄せ、新型コロナウイルス感染の影響で中止した2020年4、5月を除いては、1度も中止することなく上映を続けてきた。大久保雅子代表は「映画は娯楽ではあるが、社会の問題や矛盾点を知ること、歴史上の過ちを追体験することもできる。スクリーンに映し出される時代や場所を超えた作品世界から多くのものを感じ取り、学んでほしい。現在、山口市には映画館はないが、映画を自主上映している市民団体として、その魅力をこれからも伝え続けたい」と話す。

 前売り券(電話予約可)は、一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入できる。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。問い合わせは、同クラブ(TEL083-928-2688)へ。

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