【東京さんぽ】ビルの中の自然散策、都心の空中遊歩・・・竹芝〜浜松町の朝をゆるりめぐる

予算はひとり5,000円。1日その街を楽しみ尽くす「東京さんぽ」。今回は「竹芝(たけしば)」にやってきました。近くには、江戸時代の情緒が残り、草花が海風にゆれる「浜離宮恩賜庭園」や「増上寺」など歴史と文化を感じるスポットもあり、都心でありながら自然も感じる竹芝エリア。最寄り駅はゆりかもめ「竹芝駅」ですが、浜松町・汐留・新橋からも徒歩圏内。東京湾沿いの水辺スポットとしても注目され、お昼には憩いを求めて人々が集まります。ちょっと時間をずらすと穏やかな風景が広がる竹芝エリアを、朝の時間に歩いてみました。

8:00 「竹芝客船ターミナル・竹芝ふ頭公園」を散策(0円)

今回私は、最寄りの丸ノ内線「南阿佐ケ谷駅」から出発しました。約30分で「新橋駅」に到着し、せっかくなので街中を歩いていくことに!まだ静かな8時前、「日本テレビ」「浜離宮恩賜庭園」を通り過ぎて、30分もせず竹芝エリアに到着。

まずは、竹芝駅前の「竹芝客船ターミナル」「竹芝ふ頭公園」を散策です。伊豆・小笠原諸島への玄関口であり、1階には乗船するお客さんがちらほらと見えます。

中央広場には大きな船の帆がはためいて、船に乗らなくても出航前のように気分が高まります。

2階は東京湾のパノラマ広がる遊歩道になっていて、ベンチもあってのんびりできます。海の向こうには、フジテレビ、レインボーブリッジが見えて、橋の下を船が走って、落ち着く良き眺めです・・・。

遊歩道には「舟」にまつわる漢字のタイルが埋めてあるのもおもしろく、

昼間は清々しい海を眺められます。

ちなみに、夜はこんな感じの夜景に表情を変え、

昼とはまた違った雰囲気を楽しめます。

8:30 「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」散策(0円)

竹芝客船ターミナルの隣には、2020年6月にオープンした「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」があります。ホテル、カフェ、レストラン、オフィスなどが入った26階建ての「タワー棟」、エンターテイメント施設が入る「シアター棟」からなる複合施設で、「アトレ竹芝」も入った気軽に寄れる水辺スポットです。

タワー棟16〜26階のホテル「メズム東京」からは東京ベイエリアを一望でき、オリジナルバスアメニティや電子ピアノが全客室に導入されていて優雅なひとときを過ごせるようです。

国内最大規模の「劇団四季」の劇場や日本初の「ダイアログ・ミュージアム 対話の森」があるほか、新感覚のデジタルスポーツを体験したり、夜は“ショー・映像・音楽”のセッションを楽しめたり、好奇心と五感を刺激する注目の大人の遊び場。大人だけでなく、大自然をテーマにしたパークやカフェといった子どものエンターテインメント施設もあって、家族でも楽しめますね。

コンビニ・飲食店は9店舗。アメリカで大流行のクラフトサイダーやビール、石窯料理を楽しめる「BRAUERTAFEL(ブラウアターフェル)」は日本初上陸。体に優しいハンバーガーカフェ「the 3rd Burger(ザサードバーガー)」はアトレ初登場。2階にある和カフェ「Tsumugi(ツムギ)」では、創業150年以上の大阪の老舗茶屋の日本茶、スイーツ、料理を楽しめたりと、話題店が軒を連ねています!

施設の前は、芝生広場や船着場、干潟になっていて散歩にぴったり。船着場からは羽田空港・浅草・両国・豊洲・お台場・葛西を結ぶ水上バスが運行しますが、朝の時間はまだ船も休んで水面も穏やか。芝生広場にはテーブル席も多く、遠くには東京スカイツリーや浜離宮恩賜庭園を望め、その包み込まれるような景観に心のつっかえも取れていきます。

施設の外階段からの眺めもよく、11時のオープンまでゆっくりして、その後お買い物にランチにと満喫できます。

9:30 アトレ竹芝の「珈琲館」で朝のおやつ(486円)

朝から立ち寄れるお店もありました。

1階にあるパリ発のオーガニックスーパー「Bio c’ Bon(ビオセボン)」と、カフェの「珈琲館」「タリーズコーヒー」は、平日の朝8時からオープンしています(土日祝は10時〜)。

ちょっと小腹もすいたので「珈琲館」でおやつ休憩にすることにしました!

50年の歴史がある「珈琲館」。格別な味・香り・独特のコクがある国産備長炭の炭火焙煎のオリジナルコーヒーに加え、アトレ竹芝店では、アメリカ・カーチス社製のセラフィムを導入し、温度と湯量をコントロールして豆の特徴を際立たせた理想的なコーヒーを味わえるようです。

ほかにも、銅板で焼き上げるホットケーキ、フレンチトーストなどのスイーツに、パスタやサンドイッチなど喫茶店ならではのメニューまでそろっています。

店内はカウンター席ソファー席とあり、電源もありテレワークにもピッタリですが、せっかくなら景色を眺めながらと思って、テイクアウト専用の「炭火珈琲ソフトクリーム」に決めました!

種類は「炭火珈琲」(450円・税抜)「北海道ミルク」(400円・税抜)「ミックス」(450円・税抜)の3種類あり、よくばりなのでミックスをチョイス!

お店自慢の本格炭火珈琲のソフトクリームは、少しシャリッとした口当たりで、香りとコクがありキリッと引き締まります。北海道ミルクはとてもなめらかで、ミルク感が強く濃厚な甘味が広がって、タイプの違うこの2つを合わせると、やさしく深いカフェラテのようなハーモニーになり、疲れも吹き飛びました!

10:00 「東京ポートシティ竹芝」の竹芝新八景の展望を望む(0円)

続いて立ち寄ったのは、2020年9月開業の「TOKYO PORTCITY TAKESHIBA(東京ポートシティ竹芝)」。生物・農業などを通して環境について考える活動をし、雨・水・島・水田・香・菜園・蜂・空の8つの景からなる「竹芝新八景」があります。こちらが散歩のメインスポットです!

朝からでも無料で行けて、1階からスキップテラスの階段を上るごとに「景」を楽しめます。

1階には、雨水を貯水し水質浄化をしているレインガーデンの「雨の景」、3階には東京都の伊豆諸島・小笠原諸島など島の植物を壁面菜園を展示している「島の景」、水槽で魚を飼育して水中の生態系を表した「水の景」があります。

4階には、季節の旬の野菜や果物を育てている「菜園の景」、

ハーブガーデンがある「香の景」、

ビルを背景に日本の稲作の風景が広がる「水田の景」。

5階には、花粉を運び生態系の中で重要な役割を担うミツバチを飼う「蜂の景」。5・8・10・12階のビルの壁面には、絶滅危惧種のハヤブサなどの巣箱を設置した「空の景」。

とくに「水田」「菜園」「香」の景は、季節ごとに稲穂や作物の実る様子を見られて、訪れるたびに発見がありそうです。

1階ずつ階段を上るごとに、だんだん地上は離れて、

眼下にはビル、首都高速道路には車が次々と走っていき、

空に近づいている感覚なのに、見上げるとまだまだ空は遠く高く。

見渡すと東京湾も見えて、登山のような達成感!各階にはイスとテーブルもあり休憩しながら、それぞれの景色と四季を感じ上ることができました。

1~3階・6階には飲食店が入っています。

串カツ・天ぷらなど日本料理から、タイ料理・イタリアン・サラダ専門店・中華など多国籍な飲食店とコンビニが19店舗あり、お店によって風通しのよいテラス席もありました(営業時間はお店によって異なります)。

1階の「タリーズコーヒー」は朝からオープンしていて(平日7時30分~、土日祝9時〜)、3階にはカリフォルニア発スペシャルティコーヒーブランド「ブルーボトルコーヒー竹芝カフェ」も(平日8時〜、土日祝9時〜)。国内自社焙煎所で焙煎したハンドドリップのコーヒーや、注文後焼き上げるワッフルなど軽食をいただけます。

1階に7時からオープンしている「ローソン」は人とロボットが一緒に働く次世代型コンビニで、お店に入った瞬間から近未来感に心躍りました。

11:00 浜松町を散策(0円)

さて、ここから浜松町方面へ足をのばしてみます!

「東京ポートシティ竹芝」の歩行者デッキの2階は竹芝駅側に直結し、3階は浜松町方面へとつながっています。地上からも移動できますが、ぜひ歩いていただきたいルートです!

ビルの隙間に東京タワー!

首都高の上を歩くという体験!

すぐ隣には「旧浜離宮恩賜庭園」と、しばしの空中遊歩は特別感満載!

一旦、エスカレーターで地上に降りますが、エスカレーターからも東京タワーがちらちらと見えて最後まで東京観光気分。

浜松町の立ち寄りスポット巡り(お気持ち御賽銭)

浜松町駅周辺のスポットも紹介します。

浜松町駅から徒歩2分ほどの場所にある香川県のアンテナショップ「ポンテせとうみ」。店名の「ポンテ(ponte)」はイタリア語で「橋・架け橋」という意味で、瀬戸内と東京都港区をつなぐ「懸け橋」という思いがこめられているそうです。

1階はマーケット、2階はレストラン。小豆島・瀬戸内の季節のフルーツと野菜、小豆島産100%のエキストラバージンオリーブオイル、オリーブ素麺、お菓子、雑貨など、厳選された商品が数多く並んでいます。お店の奥は、コーヒーやコールドプレスジュース、軽食をいただけるカフェになっていたり、店頭ではお弁当も販売していたり、小豆島・瀬戸内の豊かな自然が育む素敵なものであふれていました。

浜松町・大門エリアのパワースポット「大本山 増上寺」と「芝大明神」にも参拝いたしましょう。

「増上寺」に向かう通りには、浮世絵師・歌川国丸の「江戸芝明神之図」(1820年頃)や、

風景浮世絵の名手・初代安藤廣重が最晩年(1858年)に描いた「芝明神と寺」の浮世絵の展示があって、道中に江戸の風景を重ねます。

浜松町駅から徒歩15分ほどにある「大本山 増上寺」。阿弥陀如来様を御本尊に、法然上人が教えを広めた念仏の根本道場で、徳川将軍家の菩提寺であります。春は桜が見事に咲き誇り、背景に東京タワーという写真を撮らないわけにはいかない景観。江戸時代からの名所として現代も多くの人が足を運んでいます。

現在、大殿本堂屋根瓦総葺き替えの工事中ですが参拝可能です。チタン瓦約6万枚という世界最大規模のチタン製屋根瓦の葺き替えとのこと(2021年10月末終了予定)。

増上寺から5分もせず到着する「芝大神宮」。平安時代(1005年)創建、伊勢神宮の御祭神である天照大御神様(内宮)、豊受大神様(外宮)をお祀りし、「関東のお伊勢さま」として厚く信仰されている由緒ある神社です。大きな境内ではありませんが、大通りから外れたところに静かに鎮座され、清々しい空気に包まれています。

竹芝はゆったりと、浜松町はにぎやかになりますが、午前中だけでも充分巡れる竹芝〜浜松町のお散歩でした。

延長!12:30 新橋赤レンガ通り「CHAYA 1899 TOKYO」でちょっと一服(572円)

ここまで来たついでに、新橋赤レンガ通りを新橋方面に歩いてみたら、オシャレなお茶屋さんを発見したので紹介します!

「芝大神宮」から徒歩7分ほど、都会のにぎやかさから離れた日本茶専門カフェ「CHAYA 1899 TOKYO(チャヤ イチハチキュウキュウ トウキョウ)」。

創業120年の老舗「龍名館」の“お茶”をテーマにした「ホテル1899東京」の1階に、2020年2月にオープンしたばかりで、全国のお茶どころから厳選した上質なお茶や、お茶づくしのパンやスイーツを味わえます。

専属のプロが注文ごとに茶せんで点てて作る濃厚な「濃茶ラテ」は、抹茶の量を(3〜6g)とグラム単位で選べて存分に抹茶を探求できます。ほうじ茶ラテ・抹茶ラテ・和紅茶ラテなどドリンクは種類豊富。

行列のできるパンとコーヒーの店「馬場FLAT(フラット)」と共同開発のオリジナルパンは目を奪われるかわいらしさ!「1899抹茶パン(プレーン・あんバター」「1899ほうじ茶パン(プレーン・期間限定の和栗)」とあり、テイクアウトも可能(300円〜)。

スイーツは「ジェラート(ほうじ茶・濃茶・バニラ・季節のフレーバー)」「酒茶ケーキ(抹茶・ほうじ茶・紅茶)」「あおもりプリン」など。お茶を練り込んだ「お茶ソーセージ3種盛り合わせ」や「甜茶塩のフライドポテト」などおつまみ系もに抹茶が使われていて驚きです!

休憩にいただいたのは「1899抹茶パン(あんバター)」(380円・税込)。小ぶりなパンは冷めてもふかふかで、噛む度に抹茶の豊かな香りが鼻から抜けていきます。あんバターの量もちょうど良く、主役はあくまでも抹茶!抹茶好きを納得させる一品です。

こちらは「宇治どら焼き」(240円・税込*この日、ラッキーなことに20%OFFで192円でした)。宇治抹茶と三重県産小麦粉を使った生地はしっとりしてモッチリ食感。抹茶の濃い生地と甘さ控えめの粒あんが重なって、本格的な抹茶どら焼きです。

店内は広くて席も多く、ガラス窓からの自然光がやわらかく降り注いでいます。棚には、茶器や茶缶、お茶にまつわる本が並んでおり、自由に読んでくつろいで、ゆっくりできました。

まとめ

交通費も引いて残金は3,458円。食事をするのを忘れていたので、とくに大出費もなく余裕で周辺を満喫できました!

残った予算で「浜離宮恩賜庭園」(入園料300円)「旧浜離宮恩賜庭園」(入園料150円)に寄ったり、ランチを楽しんだりできますね!

「ウォーターズ竹芝」のエンターテインメント系は、チケット料金や事前予約が必要なものもあるので、あらかじめチェックすると良いと思います。

さらに、2020年10月24日からは、東京駅から竹芝地区・日の出ふ頭を結ぶ「JR竹芝 水素シャトルバス」が運行します。運賃は無料、平日は1時間に1本、土日祝は1時間に2本間隔で走り、冬場の散歩にはうれしい交通手段ですね(2021年3月末まで予定)。

今回も時間をずらして午前中にスポットをあててみると、人の動きは静かで密も回避。竹芝エリアでは水辺から浄化のエネルギーを受け、浜松町エリアでは神仏を前に改めて心を清めて、リラックスした時間が過ごせます。未来に向かって、人と自然が共存する世界を目指す竹芝エリアを朝散歩してみてはいかがでしょう。

ウォーターズ竹芝(アトレ竹芝)

住所:東京都港区海岸1-10-30・45

HP:https://waters-takeshiba.jp/

東京ポートシティー竹芝

住所:東京都港区海岸1−7−1

HP:https://tokyo-portcity-takeshiba.jp/

ポンテせとうみ

住所:東京都港区浜松町2-6-5

営業時間:月〜金11:00~20:00、土11:00~18:00

定休日:日祝

HP:https://ponte-setoumi.com/

CHAYA1899TOKYO

住所:東京都港区新橋6-4-1 ホテル1899東京1F

営業時間:11:30〜17:00

定休日:土日祝

HP:https://1899.jp/hotels/tokyo/chaya-1899-tokyo/

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