寒暖差の大きい秋はこうして乗り切れ! 天気予報、どこをみて服装を選ぶ? 

紅葉の見頃を迎えた安達太良山=10月3日

 「急に寒くなった! ついこの間まで半袖じゃないと暑いくらいだったのに…」。そんな声がチラホラ聞こえてきます。実は10月は「台風」「秋雨前線」「寒暖差」で、意外にも気象的には気忙しい季節。「女心(男心)と秋の空」と言われるように、秋の天候は移り変わりが早いのです。まずは、最近の天気を振り返ってみましょう。(日本気象協会、気象予報士=安野加寿子)

 ▽真夏日から一転、山では雪の便りも

 10月上旬(1~10日)は、最高気温が30度を超える真夏日になった所もあれば、秋雨前線と台風14号の影響で広範囲で雨が降り、8~9日にかけては一気に寒くなりました。その後、10月中旬(11~20日)は、再び日中は真夏日になった所もある一方で、北海道から関東の高い山には雪が積もり、初冠雪の便りが続々と届きました。東日本の内陸部では朝晩10度を下回る日も多くなり、木々の色づきが進んでいます。

 最近の寒暖差で、体調を崩された方もいらっしゃるかもしれません。11月はどうなるでしょうか。最新の予報で解説します。

11月から1月にかけての予想平均気温(10月23日発表の3か月予報より)出典:気象庁「3か月予報」https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/000_1_10.html

 ▽これからの気温は? どんどん寒くなるの?

 10月終わりまでは、北日本や東日本で平年より気温が高め、西日本以西は平年並みの予想です。11月に入っても、全国的に気温は平年並みか平年より高い見込みで、季節の進みはゆっくりとなりそうです。

 ただ、この長期的な気温の予想はあくまで平均的なもので、一日一日で考えると、冷え込みが強まる日もあれば、ぽかぽか小春日和になる日もあるでしょう。日ごとに寒くなるというよりは、ひと雨ごとに秋が深まっていく見込みです。

 そして12月から1月にかけては、気温は平年並みか平年より低くなる所が多く、昨シーズンの記録的暖冬と比べると、冬らしい本格的な寒さを実感するシーズンになりそうです。

 ▽気温でみる冬支度の目安

 10月は衣替えの季節です。が、ここ数年、特に10月前半は平年より気温が高かったので、10月になっても半袖をしまわなかったり、衣替えを先延ばししたりする人が多かったと思います。特に寒くなりはじめの今から11月にかけては、厚着しすぎると日中汗ばむこともあり、ジャケットやコートが必要かどうか、毎日服装に悩みますよね。

 寒さの感じ方は個人差が大きく、一概に気温が〇度だからコート!といった表現はしづらいです。一般には、気温が15度前後なるとカーディガンや秋物のコート・ジャケットを着る人が増え、10度前後で本格的に冬物コートを引っ張り出してくる人が多いようです。

気温と服装の目安(日本気象協会tenki.jp)

服装を決める目安として、日本気象協会では「服装指数」をご紹介しています。毎日の服装選びの参考になさってみてください。

 日本気象協会「服装指数」https://tenki.jp/indexes/dress/

 服装以外で言うと、気温が10度を下回ると暖房器具を付ける目安と言われています。寝具などは、部屋の温度が15度を下回るようになると冬用布団に替えるのが良いそうです。

 地域にもよりますが、11月は冬支度が必要になるところが多くなりますので、天気の良い日に、暖房器具の点灯確認や、冬用布団の日干しなどの冬支度を始めるのをおすすめします。

 ▽寒暖差を乗り切るには「天気」「気温」「風」

 気温を目安に…とは言っても、気温は一日で大きく変化します。朝から晩までの一日の気温差を「日較差」と言います。雨が降ると気温は寒いながらも日較差は小さめ、一方、晴れると朝晩ぐっと冷えて日中は暖かく、日較差は大きくなります。

 雨の日は、朝出かける時の服装でも一日大丈夫ですが、晴れの日の服装選びは、朝の最低気温と日中の最高気温をみてください。

 朝出かける方は、日中の最高気温によっては「脱ぎ着しやすいか」「上着が邪魔ではないか」がポイント。昼間に出て夜帰ってくる方は、翌朝の最低気温もチェックすると夜に向けてどれだけ冷えるかの目安になるので、「帰りに上着やマフラーが必要か」がポイントになります。

風と体感温度(日本気象協会)

 これからの季節は、日較差が7~8度前後になる日が多く、内陸部では特に冷えて、日較差は10度以上になる日も出てきます。また、木枯らしなどの「風」が強い日は、気温以上に寒く感じられます。一般に、毎秒1メートルの風が吹いていると、体感温度は1度下がります。そのため、気温が15度でも毎秒5メートルの風が吹く日は、体感温度はなんと10度! コートが必須の寒さです。

 寒暖差を乗り切るポイントは「天気」「気温」「風」です。出かける時の天気や気温だけで判断せず、天気予報をぜひ活用してみてください。

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